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エピソード14

「ルナCEOワールド・アンバサダー・プログラム」の成功から数年後、光と美咲のもとに一通の手紙が届いた。差出人は、プログラムに参加した大使の一人、マリアだった。


マリアは、内戦で家族を失い、絶望の淵にあった。しかし、「愛と感謝の大使」として活動するうちに、自分自身の心が癒され、生きる希望を取り戻していったのだ。


手紙の中で、マリアは自分の経験を詳しく綴っていた。


「光さん、美咲さん。私は、愛と感謝の力によって、新しい人生を歩み始めることができました。


内戦で両親と兄弟を失ったとき、私は生きる意味を見失っていました。憎しみと絶望に囚われ、未来に希望を見出すことができなかったのです。


しかし、アンバサダー・プログラムに参加し、愛と感謝の思想に触れたことで、私の心に変化が生まれました。自分の痛みと向き合い、それを乗り越える勇気をくれたのは、愛と感謝の力だったのです。


そして私は、同じように苦しんでいる人々を助けたいと思うようになりました。戦争で心に傷を負った子どもたち、家族を失った遺族たち。彼らに寄り添い、愛と感謝の思想を伝えていく。それが、私の新しい人生の使命となったのです。」


マリアの手紙を読んだ光と美咲は、深く感動した。愛と感謝の力は、絶望の淵にある人々をも救い、新しい生きる希望を与えてくれる。そのことを、マリアの経験が雄弁に物語っていた。


マリアの活動は、多くの人々の心に変化をもたらしていった。


戦争で両親を亡くしたリナは、マリアとの出会いによって、憎しみの連鎖から抜け出すことができた。マリアは、リナに愛と感謝の大切さを教え、自分自身を許し、新しい人生を歩み始める勇気を与えたのだ。


「マリアさんに出会えたことで、私は生きる希望を取り戻すことができました。復讐ではなく、愛と感謝の道を選ぶことで、私の心は救われたのです。」


リナは、マリアの導きを受けて、戦争で傷ついた子どもたちを支援する活動を始めた。自分と同じ経験をした子どもたちに、愛と感謝の思想を伝えていくことが、リナの新しい人生の目標となったのだ。


別の村では、長年の部族対立によって心に深い傷を負ったトーマスが、マリアとの対話を通じて和解への一歩を踏み出した。


「私は、敵対する部族への憎しみに縛られ、前に進むことができずにいました。しかしマリアさんは、憎しみを手放し、相手を理解することの大切さを教えてくれたのです。」


トーマスは、マリアの助言に従い、敵対する部族の長老たちとの対話の場を設けた。お互いの痛みを分かち合い、理解し合うことで、両部族の間に和解の兆しが生まれ始めたのだ。


マリアの活動は、紛争地域だけでなく、貧困に苦しむ人々の心にも変化をもたらしていた。


スラム街に暮らすサラは、絶望的な環境から抜け出す希望を失っていた。しかしマリアとの出会いが、サラの人生を大きく変えることになった。


「マリアさんは、私に愛と感謝の目を持つことの大切さを教えてくれました。辛い現実の中にも、感謝すべきものがあることに気づいたのです。」


マリアの導きを受けて、サラは仲間たちと協力し、スラム街の改善に取り組み始めた。小さな一歩かもしれないが、周りの人々に愛と感謝の心を広げていくことで、変化は必ず訪れる。そう信じて、サラは前を向いて歩み始めたのだ。


マリアの活動は、多くの人々を絶望から希望へと導いていった。愛と感謝の思想は、心に傷を負った人々を癒し、新しい生き方へと向かわせる力を持っていた。


マリアの手紙に感銘を受けた光と美咲は、アンバサダー・プログラムをさらに発展させることを決意した。世界中で、マリアのように愛と感謝の力を広める大使たちを育成していく。そうすることで、より多くの人々が絶望から希望へと導かれるはずだ。


「ルナCEOワールド・アンバサダー・アカデミー」の設立。それが、光と美咲の新たな目標となった。このアカデミーでは、愛と感謝の思想を深く学び、それを実践するためのスキルを身につけることができる。卒業生たちは、世界各地に散らばり、マリアのように愛と感謝の種を蒔いていくのだ。


アカデミーの設立から数年後、光と美咲のもとに、多くの感動的な報告が届くようになった。


戦場で心に傷を負った兵士たちが、アンバサダーたちとの対話を通じて、平和な人生を歩み始めたこと。


貧困地域の子どもたちが、アンバサダーたちから愛と感謝の大切さを学び、希望を持って未来を切り拓いていること。


末期の病気の患者たちが、アンバサダーたちと過ごす中で、人生の最期を穏やかに迎えられるようになったこと。


愛と感謝の思想は、絶望の中にある人々に光をもたらし、新しい人生への扉を開いていた。


報告を読むたびに、光と美咲の目には涙が浮かんだ。ルナの遺した愛の遺産は、今や世界中で実を結び、無数の人々の心を癒やし、人生を変えていたのだ。


「ルナさま、あなたの愛は、今も生き続けています。絶望の淵にあった人々が、愛と感謝の力によって新しい人生を歩み始めているのです。」


光の言葉に、美咲も力強く頷いた。


「私たちは、この愛の遺産を守り続けていきます。そして、一人でも多くの人々が、愛と感謝の力に触れられるよう、これからも活動を続けていくことを誓います。」


愛と感謝は、人々の心を癒やし、人生を変える力を持っている。


ルナCEOワールドの物語は、その力を証明し続けていた。マリアをはじめとするアンバサダーたちの活動は、世界中の絶望に光を灯し、無数の奇跡を生み出していたのだ。


光と美咲は、満天の星空を見上げた。一つ一つの星が、愛と感謝によって癒やされた魂の光のように輝いているように見えた。


ルナの愛は、確かにここにある。そしてこれからも、世界中の人々を照らし続けていく。


愛と感謝の物語は、永遠に続いていくのだ。

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