不思議な街並
初めて彼女を見たのは姉といったバーだった。
姉は大学生、僕は高校生。正直僕みたいな高校生が行くようなところでは無いけれど、姉に無理やり連れられ行ってみたのだ。
そこではただ大人がお酒を飲む暗い所という印象は無く、高校生の僕でも飲めるようなメニューが沢山あった。
仕方なく僕はりんごジュースを嗜むことにし、カウンター席で姉の愚痴を延々と聞かされていた。
そんな中、1人の女性が明るいライトを浴びて何かを始めようとしていた。唇は桜色のようなほんのりとしたピンク。頬はイチゴのように可愛く色づいていて、二重の可愛らしい目は眩しそうにパチパチしている。僕は彼女に夢中になっていた。可愛い黒色が似合うワンショルダーで、露出している肌は雲のように真っ白。ふっくらと膨らんだパニエからは動く度に揺れる可愛さが魅力的だった。彼女をじっくりと観察した後、彼女は可愛いえくぼを作り、「いらっしゃい」と一言。不思議で魅力溢れる人だ。そんなことを思いながら彼女が始めるのは大道芸だった。バラの髪飾りを揺れさせながら彼女は芸を始めた。彼女が始めたのはジャグリング。ボーリングのピンの様なものをほいほいと高く飛ばしたり。高度な技だと思うが、まるで魔法のようにすいすいとこなして行くのだ。周りからは歓声と拍手が溢れる。酔っていた姉も見とれるくらいだった。彼女は可愛く膝を小さく折り曲げ、スカートを摘み一礼。不思議な雰囲気をまとった彼女に、まるで僕は引き付けられるかのように見とれていたのだ。