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公然の秘密 其の二 (東宮視点)

 私は東宮、この国をいずれ治める身。母は現内大臣の姉・中宮藤原雪子。父は帝としての政務に明け暮れながらも、母を含む後宮の女性たち、そして私を含む子供たちに愛情を注いでくれている。母は寵愛されているし、家柄もよい。次男ではあるが、長男は生後半年でなくなっているため、長男と言っても差し支えない。こんな成功ルートまっしぐらなはずの私。でも、一つだけ問題がある……


 先の帝は、父の異母兄であり、私の伯父にあたる。父と伯父の母は同格の家柄であったこともあり、自然と兄が東宮となった。ところが、即位後四年余りで崩御したため、弟が即位した。そして今に至る。先帝には男子はいたが、幼すぎたために即位しなかった。母親の家柄が低かったためもあるようだ。それ以外にはもっぱら女子ばかり生まれている。


 そのうちの一人、先帝の三女・清子は、性格も優しく、顔立ちや家柄ともにまずまずの素敵な女性だ。そう、私は清子に恋してしまったのである。婚約者はいる。内大臣の娘(母方の従姉)・律子だ。しかし、一度恋に目覚めてしまった私には、正妻は清子のほかに考えられなかった。律子のことが嫌いなわけではない。形だけでも娶り、少しだけでも愛を向けてやりたいとは思う。


 そんな風に思っていた時、私は驚くべきことを知った。律子には恋人がいるということだ。相手は中将・藤原忠輔。「小藤の中将」と呼ばれている。どうやらこれは世間の共通認識のようだが、私はこの時はじめて知ったのである。


 待てよ、このままうまくいけば。律子も私も幸せな結婚をして、全て丸くまとまるんじゃないのか?

 母は、今では世の女性の理想形と呼ばれているが、元々は政略結婚であったために、不安な日々を過ごしたこともあると以前言っていた。その経験から、私や姪・律子には幸せな結婚をしてほしいと思っているようだ。それならば、母は味方になる。父も、母と私が説得すれば、大反対することはないだろう。


 今の状況及び解決策を整理してみる。

 律子&小藤の中将⇒相思相愛。律子⇒婚約がある。父(内大臣)がそれに積極的。小藤の中将⇒婚約は一応している。親の方も事情を分かっているためか、通うように勧めることはない。

 〈解決策〉私と清子の関係を伝えたうえで、私(東宮・甥)&父(帝・義兄)&母(中宮・姉)の、権力&親戚関係による無言の圧力で内大臣を説得する。

 清子&私⇒私の片想い。清子⇒婚約はあったが父の死でなくなった。親戚は結婚するのかしないのかはっきりしてほしいと思っている。本人の意思は不明。私⇒婚約があるが、うまくやればなくなる。両親ともに協力的…なはず。

 〈解決策〉私が清子を口説く。それだけ。ただ、律子との婚約が解消されてからしないと、浮気者と思われる可能性あり。


 ん、もしかして…… これまでこっそり文を送ったり、行事などで積極的に話しかけたりしてもうまくいかなかったのは、浮気者と思われたからなのか……? だとしても、これから挽回すれば大丈夫、なはずだ。


 なら、これからやるべきことは。

 ①両親の協力を得る ②内大臣を説得 ③清子を口説く

 この三つだな。


 早速、母のもとに向かうとしよう。

雅之たちとは別に、東宮も動き出しました。

東宮の恋人は、人物紹介にだけ出ていて、今まで出てこなかったこの人だったんですね…


今回はこれでおしまいです。次回で第一章は完結です。お楽しみに。

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