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調査開始!最初の成果は如何に

 いよいよ本格始動いたしました!応援していただけると幸いです。

 親友・雅之からの依頼を受けた俺は、どんな顔をしていただろうか。自分でも悪い癖だとは分かっている。それでも、恋愛沙汰となるとつい顔がにやけてしまうのは、今も昔も変わらない。その様子に周囲の人々が呆れるのも。

 ともかく、まずは調べなければならない。幸い陰陽師としての貴族とのつながりは持っている。「小藤の中将と律子様とのこと」としか雅之は言わなかったが、それは俺ならわかるだろうと思ってのことだろう。もしくは俺がキモすぎて言う気をなくしたか。


 それから、俺は来客や同僚の陰陽師たちにそれとなく探りを入れてみた。()()()()は世にも有名なカップルであるらしく、それなりに皆が話をしてくれた。そこで分かった情報を含め、今わかる限りの情報を整理してみる。


〈彼らの人物像〉

・小藤の中将…本名は藤原忠輔。歳は二十三歳。十一歳で元服(男子における成人)して以来、人生の半分ほどを武官として生きている。現在は雅之を含む若手武官たちをまとめる役目をしている。実家は藤原家の傍系。

・藤原律子…内大臣・藤原満仲の娘。歳は十八歳。もとより東宮(皇太子のこと)に入内する(嫁ぐ)目的で育てられたが、本人はそれを拒んでいる。

〈現在の状況〉

・律子はこれまで入内を懸命に拒んできたが、年齢的にもそろそろ強行手段を取られそうである。

・というか、内大臣はもう張り切って準備をしている。

・小藤の中将は、仕事中を含め一切恋しそうな様子は見せていない。(まあ依頼してきた時点でいまだに愛しているんだろうけど)

・東宮は律子と同い年であるが、今のところ誰も妃がいない。

・内大臣の姉であり東宮の母・律子の伯母でもある中宮は、東宮にも律子にも幸せになってほしいと願っている。そのため、律子が嫌なら入内しなくてもいいという姿勢でいる。

・東宮には想い人がいるという噂もある。


 今分かるのはこれぐらいだ。とはいえ、十分に情報として役に立つだろう。

 それはさておき、一つ気になったことがある。東宮の想い人についてだ。このことはまた後で調べるとして、俺はもうすぐ状況を聞きに来るであろう雅之を迎える準備をすることにした。

 

===============


 俺は、8日ぶりに充孝の家を訪れた。充孝はいつもよりも(少なくとも前回よりは)顔色が良いように見えた。

 (どうせ恋愛沙汰に興奮してるだけだろうけど) そうは思いつつも、報告を聞きに来たのは自分である。


「それでどうだったんだ? ちゃんと調べたのか?」 そう聞いてみる。

「もちろん調べたに決まってるだろ。結構たくさんの情報が入ってきた」

 さすが()()天才陰陽師だ。人脈に関しては彼のほうが上なのだ。

「律子様は御年十八。貴族の娘なら結婚してる年頃だ。まあ入内となれば少しは遅くなるだろうけど」

「なるほど」

「これまでは拒んできてるけど、年齢的に強硬手段を取られてもおかしくないというのが世間の見方だ。内大臣が張り切って準備に取り掛かっているという噂もある」

 張り切っているとなると、最早本人の意思は関係ないだろう。


「なら、相手側はどうなんだ? 東宮様とかのこと」

「ああ。東宮様は律子様と同い年。今のところ誰も妃がいない」

「それは珍しいな。一人くらい居たっておかしくないのに」

「そうなんだ。で、一旦そのことは置いといて。中宮様のことだ」

「中宮様は律子様の伯母にあたるんだよな?」

「その通りだ。だからこそ、息子にも姪にも幸せになってほしいと思っている」

「じゃあ、律子様が嫌がるなら無理させなくていいって思ってるわけ?」

「そうらしい。寵愛されているとはいえ、自分も政略結婚の犠牲者だからな。余計に放っておけないんだろう」

「なかなか不思議な話だな」

 本当に不思議だ。娘が拒んでいて、姉である相手の親も嫌なら結婚しなくていい、と言っているのに嫁がせようとする親がいるだろうか。


「それで、お前はもう分かり切ってると思うけど、中将様は普段は寂しそうにはしていない。あくまでも秘密の恋、というわけだ」

「やっぱりな。道理でこっそり打ち明けてくるわけだ。でも中将様は、俺に助けてくれ、って言ったんだぜ? どうすればいいんだか」

「まあそれは追々考えてくとしてさ。問題はさっき『一旦置いといて』って言った東宮様のことだよ」

「そういえばそんなこと言ってたな」

「だろ? それでな。噂では、想い人が他所(よそ)にいるから誰も娶らないんだと」

「え? そんなことあるのか?」

「ああ。俺も驚いた。東宮と大臣家の結婚、っていう国一番といってもいいような結婚の陰に、二つも恋が隠れていたんだからな!!」

 こいつはこいつで、性懲りもなく恋愛沙汰に興奮しているらしい。それ以外は素晴らしいのだから、ここさえ直してくれればといつも思う。こいつがモテないのは、これが原因じゃないかと思ってしまうぐらいなのだ。

「それで、東宮様の恋のお相手は?」

「それはまだ分かっていない。まだ噂の段階だしな。だからまた調べておく」

「分かった」


 俺が帰ろうとすると、充孝が俺を呼び止めた。

「今日はもう遅いし、折角だから泊まってかないか?」

 俺は喜んでその誘いに乗ることにした。

なんだか人物紹介の続きみたいになりました…

ちなみに、雅之と充孝は二十歳です。

後半は会話文多めにしてみました。


今回はこれでおしまいです。次回をお楽しみに。

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