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第94話 伸るか反るか

 一度引くか。

 それともこのまま行くのか、俺は迷っていた。


 奴はお腹が満腹のはずだ。

 そしてここら辺が住処なら、しばらくは餌があるからここから動かないだろう。



「エリアスっち、このまま行こう」

 最近、利発になったパメラさんが言う。


「私は1度、引いた方が良いと思うわ」

「奴の住処だけでも、探して帰りましょうか」

 オルガさんやルイディナさんも意見を言う。


 そして俺は決めた。

「せっかくここまで来たんだ。奴の住処だけでも探して帰ろうか」


 俺はそう言うと【スキル】鑑定サーチを使った。


「俺がもっと早く気付いていれば。奴は段々と俺達の街に東から近づいて来ていた。大きな領より小さな村の方が襲いやすいと、村を襲った経験のある魔物ならそう行動するはずだ」

「自分を責めないでエリアス君」

「そうだよエリアスっち」

「事前になにが私達に出来たんだ。何も出来なかったさ」


 そう言うみんなの顔は辛そうだった。

 特にメイドのアーネさんに懐いていたパメラさんは、眼が怖かった。

 目を話すと何をするのか分からない程に。


 そして山脈を登ってく。

 だがこれでは、いつ見つけられるのかさえ分からない。



 俺達は【スキル】情報共有が、いつのまにか身に付いていた。

 お互いのおでこを付けると、俺の思うイメージを相手に伝えられる。

 そしてしばらくは意思の疎通が離れていてもできるようになった。


 俺はあることをイメージした。

 そして嫁3人とおでこを付けて共有した。


飛翔(ウィング)

 嫁3人が同時に呪文を唱える。


 パメラさんの体が浮き上がる。

 風の力を借り飛び回れる魔法だ。


 でも成功したのはパメラさんのみ。

 それはそうだ。

 パメラさん以外は魔術師ではないから。

 でも駄目元でやっているのだ。

 情報を共有するために。



「パメラさん、お願いします」

「えぇ、良いわよ。共翼天翔(シェアウィング)


 するとパメラさん以外の俺達も、体が浮き上がった。


「使うのは初めてだし、いつまで魔法が続くか分からないから気をつけて行こう」

「そうね、行きましょう!」


 意思の疎通回路はまだ切れていない。



 そして俺達は空に舞い上がった。


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