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第84話 魔族と思い込み

 その場にいた他の冒険者15人が剣を抜き彼に襲い掛かった。

 すると女性3人が男をかばい、あっと言う間に15人が倒された。

 まるでボロ雑巾のように、血を流しながら床に転がっている。


 CやDランク冒険者19人が一斉にかかり、4人相手に勝てないなどあり得ない。

 その場合、彼らは個々でB、いいえAランクの強さを持っていることになる。


 彼らは人族なのか?

 それに女性の強さも異常だ。

 ジリヤ国東側のアスケル山脈を越えた、北東の大陸に住むという魔族なのか?


 魔族は人と変わらない外見を持ち、力が強く魔法に長けているという。

 我々とは大きな山脈に阻まれ、行き来も難しく争いは無いと聞いているが。


 だが相手に種族を聞くのはとても失礼なことだ。

 相手から言い出すまでは、聞かないのがルールになっているほどだ。


 だからパーティー名を決めるというので、その中に私も混ざりカマをかけてみた。

『暗躍する魔族』とパーティー名を提案すると、オマリ君がとても嫌な顔をした。

 やはり魔族か。

 


 だがなぜ魔族がこちらの大陸に?

 遂に山脈を超えこちらに攻め込むための偵察か?

 それとも国で騒ぎを起こし、居られなくなり出奔したハグレか?

 だが、それを聞く訳にはいかないから、このギルドでしばらく彼らの目的を探るしかないわ。

 それまでの間は彼らを、刺激しないようにしないと。


 彼らが解体込みで買取をしてほしいという。

 どんな魔物を倒しているのかしら?

 倒した魔物で彼らのレベルが分かるわ。


 買取カウンターについて行くと驚いたわ。

 彼はマジック・バッグを持っていて、その中に魔物を収納していた。

 それだけで一財産だわ。

 なぜ冒険者なんてせず、それを使って一儲けしないのかしら?

 魔族だからこの大陸の事には疎いのかもしれない。


 オマリ君が今、収納している魔物の名前を言っている。

 どれも冒険者泣かせの物理攻撃が効きずらい魔物や、毒系の魔物ばかりだわ。


 7種類の魔物を全部で8体ずつ出した。

 物理攻撃が効きずらく魔法攻撃でないと倒せない魔物が多い。

 しかし魔法攻撃で倒したら素材が痛み、お金にならない冒険者泣かせの魔物なの。


 ホーネット、キラーアント、ブラックビートル、レッドスコーピオンは奇麗に首のところが切られている。

 いったいどうやって、これを切ったと言うの?

 この装甲の魔物が切れるなら、レベルなんて関係ないくらいの強さよ。

 だって大概のものは切れる、という事でしょう。



 イノーラは知らなかった。

 彼らの狩りはパターン化していた。

 エリアスの【スキル】鑑定サーチで魔物を探す。

 ルイディナとパメラが魔物を追い立て、エリアスが『収納防御』で足止めをし、

オルガが止めを刺す。

 そして敵いそうもないときは、風の魔法を身に纏い素早さを上げ全力で逃げる。

 魔物をたくさん狩れるのは全員がすでに、Agility(素早さ)UPが出来るようになっていたことが大きい。

 

 そしてもう1つ。

【加護】エリアスの使徒を持つオルガ達は、エリアスの影響を多大ただいに受けていた。

 オルガ達を鑑定しイノーラが見た、ステータスは日本語だった。

 だから読めなかったのだ。




 俺達の住んでいるところは遠いので、て遠すぎでしょ。

 山脈1つ超えてくるのよ?

 それとも、このジリヤ国のどこかに潜んでいるのかしら?




 そして彼らを私の部屋に招いた。

 彼らがその気になれば、いくら私がレベル28でもひとたまりもない。

 だが後戻りはできない。


 そして私は勇気を振り絞り口に出した。


「単刀直入に聞くわね、あなた達はなに?」


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