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第21話 生活の目途

 ライオンラビット13匹分の買取額が出たようだ。

 俺は受付に向かい歩き出した。

「お待たせしました。どれも状態が良くて1匹2万円。全部で26万円よ」

 おぉ~、凄い金額になった。

 これで少しはお金に余裕ができるな。


 みんなを心配させてしまった。

 謝らないと。


 俺の前には受付アリッサさん。

 周りにはオルガさん、ルイディナさん、パメラさんが居る。

「今日はごめん。もう大丈夫だから、みんな心配をかけてごめんね」

「よかった。いつのもエリアス君だわ」

「ほんと、なにかあればいつでも言ってくれよ」

 と、みんな喜んでくれた。


「でも、なにがあったの?良かったら教えてくれないかしら?」

 と、アリッサさんが優しく言ってくれる。


 俺は本当のことが言えず、森の中にみんなで入って果物を採っていたら、亡くなった家族のことを思い出した、と嘘をついた。


「エリアスっちは寂しんぼになった、てことだね~」

 オルガさんに言われ、少し恥ずかしくなった。


 ルイディナさん達に、からかわれる。

「寂しくなったら、いつでもお姉さんに言うんだぞ~。あははは!」


「でも、元気になって良かった」

 アリッサさんにもお礼を言って俺達はギルドを出た。


 そして今日はもう1件寄るところがある。

 それは青果市場だ。

 青果市場は繁華街の側にあり、飲食店の人が買い物に行きやすくなっている。

 市場に入ると野菜や穀物が並び、果物はほんの僅かだ。

 

 どこで買ってくれるのか分からない。

 仕方ない、誰かに聞くか。

 俺は売り場のところにいる、ちょっと体格のいいおばさんに声を掛けた。


 

ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワを山ほど採った。

 

「すみません、果物はどこで買取してもらえるのでしょうか?」

「あぁ、果物の買取はここで、できるよ。なにを売りたいんだい?」

「ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワです」

「ほう、今が旬の果物だね、どこにあるんだい」

「ここです」

 と、俺はバッグを軽く叩いて見せた。

「マジック・バッグ持ちかい。ならここに出しておくれ」

 俺は言われたテーブルに果物を出した。

 

「おぉ、こんなにかい!」

 おばさんは、驚いていた。

 ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワは、バケツ一杯分くらいづつあった。


「これは、状態がとても良いね。まるで今、採ったみたいだよ」

 おばさんは何やら考えてから言った。


「ブルーベリーは6千円。さくらんぼとビワで6千円。イチジクは4千円。全部で16,000円でどうだい?」

(う~ん。高いのか安いのかが分からない)

 俺が悩んでいると、

「私の買取は高い方なんだけどね。じゃ、思い切って17,000円でどうだい?」

「エリアスっち、その金額で良いいよ~」

 オルガさんに言われ、俺は納得した。


 1日17,000円稼げた。

 4人で割れば1人、4,250円。

 この世界の平均日給が3,000円だから、冒険者をやらなくてもやっていける。

 だが何かの時のために、貯えも必要だな。

 果物採取メインで、魔物に合うこともあるので討伐、で良いかもしれない。

 これでなんとか、生活の目途が付いたな。

 

 また来ることを伝え俺は名前を名乗った。

 おばさんはダニエラさんと言う名前だった。

 買い取る値段は一律ではなく人によって変わるから、私に売るんだよて言われた。

 たくさん採れるようなら、果物を売る商人でやっていけるかな。



 そして宿屋に帰ろうと歩いていると、城門の鐘があわただしく鳴った。


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