第5話、規則って大事よな。
規則って大事よな。めんどくさいケド。
いつも通りなんでも良いのでコメントください!
泣いて喜びます(笑)
「テア〜!準備出来たかぁ〜!」
「うん!」
今日は学校のある王都に移動する日だ。
めっちゃ楽しみ!早くリンに会いたいなぁ。
ここ、ヒューリン領から王都までは急いでも2日掛かる。
なので僕達は途中の街で泊まることになる。
道中で何があるか分からないので、どの町にというのはあまり詳しく決めてないらしい。
僕はノツワーク領に行く時くらいしか自分の家のある街から出ないのでとてもワクワクしてる。
どんな動物に逢えるのだろうか。どんな魔獣がいるのだろうか。
そんなことを思ってるうちに荷積みが終わったらしい。
「んじゃ、サリーさん行ってきます!」
「いってらっしゃいませ。」
メイド長のサリーさんは当然ヒューリン家に残るのでここで一旦お別れだ。
なんかお礼の物を作っておけば良かったなぁ。
帰る時は必ずお土産買って帰ろう!
……覚えてたら。
僕は乗り物とかで酔わないタイプなので馬車は余裕だ!と言いたいとこだけど、さすがにお尻が痛くなる。
道は整備されてないのが普通だし、そこに文句はない。
でも馬車の方に少しくらい衝撃を和らげるものがあってもいいと思うんだ。
そこで次の街に着くまでになんかいいアイデアがないか考えてみよう!
まず乗る人はリンとして考える。
リンもこの苦しみを味わってるはずだから一刻も早く改善して上げなければ!
そもそも馬車の構造ってどうなってるんだろう。
さっき馬の水飲みのために止まった際、確認してみたけどよく分かんなかったよ。
だから馬車自体に何か工夫することは今の段階だと難しそう。
そもそも馬車の構造から楽にできる方法はその道の方々が日々探してるはずだから僕みたいな機械素人には無理な話なのかも……
気を取り直して!
まずは風魔法で浮かせるように付与する。
これが最初に思い浮かんだ。
でもこれには欠点がある。
まず、そもそも魔力が足りないこと。
浮かせる部分はある程度固くないと乗り心地がわるくなり、しかし固くしようとすると重くなってさらに魔力が足りなくなる。
あとは馬車に合わせて浮かぶから結局ガタガタするのではないかというもの。
空飛ぶ座布団作戦は失敗だ。
え?いつそんな名前が着いたかって?
……そんなもの今に決まっておるだろ!
んんっ。少々取り乱してしまったようだ。
ハイ。こんな茶番は置いておいて、次の案を考えよう。
次は常に地面と水平なら揺れがないのではないか。水平を取るなら水の上が好ましいな。
……濡れない?これ。
あ〜!だめだ。
一旦お父さんにダメ元で聞いてみよっと。
「お父さん。馬車の揺れでお尻が痛くならない方法しってる?」
「ん?そんなもの、めっちゃ柔らかく、厚みのあるクッションを下に引いたらいいんじゃない?」
「あっ。」
「さっきからなんか悩んでると思ったらこんなことやったんか。」
「こんなことって。めっちゃ大事なことなんだよ!」
「てかお父さん、夏はどうすんの?そのクッション使ってたら暑くない?」
「これはな〜んだ?」
そう言うとお父さんは馬車の換気口についてる小型の箱を指さした。
「エアコンと呼ばれる魔道具。」
「正解。な?大丈夫だろ。お前はもっと頭を柔らかく広い視点で物を見ないといけない。」
「は〜い。」
「絶対聞いてないわ。今の話。大切なのにな。」
「聞いてるって。要は冷静になれってことでしょ。」
「違うかもするけどまぁそれでいいわ。」
そんな話をしてるとヒューリン領の国境辺りまで来た。
「検問があるぞ〜。」
「え〜めんどくさい。お父さんこの領主じゃん。どうにかならなかったの?」
「決まりだからな。文句ばっか言ってないで準備しとけ。」
「は〜い。」
規則をしっかり守る親で良かったと思います(棒)。
今回はテア君わがままでしたね。
14歳ですがまだまだ甘えたいお年頃。
ただし、「リン」ファーストは絶対です(笑)