第44話、夏休み
そろそろ終わる予定です。
当初ある程度予定していた通りに進んでいるのでこのままいけば第50~60話くらいで終わると思われます。
応援ありがとうございました!
(まだ完結してない)
要望があったら続きを考えて書くかも知れません。
その時は外伝的な感じで分けて書くので恐らく最終話の前書きかあとがきに詳細を書きます。
あと少しですがこれからも応援お願いします!
クレープ修行に行ってから数ヶ月が経ち、俺たちは夏休みに突入した。
夏休みまでの間は、毎週のようにデートをしたり、一期のクレープのお店に行ってリンを紹介したりと充実した毎日だった。
しかし、俺達には重大な問題があった。
それはデートの候補がもう殆どないことである。
そこで夏休みに遠くの場所に旅行に行くことにした。
夏休みの中頃に出発して、夏休みの終盤頃に帰ってくる予定だ。
ちなみに旅行に行くまでは王立植物園に行く予定だ。
前回は説明しそびれたが
王立植物園は6つの建物からできている。
正確に言うと2ヶ月事に来園用の建物を変えている。
この6つの建物は扇形に広がっており、どの建物からでも夕日を見ることができる。
こうすることで花が咲いていないということを防ぐ目的があるらしい。
とは言っても2ヶ月のうちで1番よく咲いている時期があり、見頃を狙って行くつもりだ。
ちなみに今回行く建物は前回とは別の建物になるので今回はエリカという花のブースで夕日を見れる。
そして今日は王立植物園へのデートの当日である。
俺は王立植物園のチケット2人分買っておいて、リンを待っているところだ。
リンを待っていると目の前を馬車が通り、植物園の少し離れたところで止まった。
貴族の人も来てるとわかり少し面倒くさく感じてしまう。
しかも誰なのか確認出来なかったのが辛い。
俺自身も貴族ではあるが、あまり貴族と関わってろくな事になったことがないと思う。
リンを堂々とナンパしたり、いちゃもんを付けてきたりと身勝手なのだ。
そんなふうに思っていたからなのか、その貴族の人がこっちを見てきた。
勘良すぎない?
大分距離があるし、直接見えなさそうなのに……
いや、そういう魔道具でも使ってるのかな?
せっかくのデートなのに最悪な気分だ。
そんなことを思っているうちにリンがやってきたことが分かった。
魔道具のおかげで待ち合わせがしやすいので大分助かっている。
お互いの場所が距離の制限があるとはいえ、正確に分かるのは俺にとってはメリットしかない。
前に聞いたのは、彼女にやましいことがあるとバレる原因になって嫌だとかプライバシー的に少し嫌という話だった。
俺にやましいことなんてないし、リンとはほぼずっと一緒だからプライバシーってことが大分薄れている。
強いて言うならドッキリやサプライズがやりにくいことぐらいだろうか。
まぁ、そんなことは置いといてリンが小走りで近づいてきた。
「お待たせ!テア。」
「大丈夫。あまり待ってないし、俺が早めに来ただけだから。はい、これ入場券。」
「ありがとっ!それじゃ早速行こっかって言いたいところだけどまだ開園はしてないからすぐそこにあるカフェに寄らない?」
「いいね。そういえばなんで王立植物園は入場券の販売開始時刻と開演時間がズレているんだろうね?」
「なんか聞いた話によると人数が多ければ警備員の増援を呼んだり、お土産を多目に置いたりするためだとか、入場券購入の列を少なくするためとか言われているね。」
「へ〜そうなんだ。よく知ってるね。」
カフェに着いたので俺はモカ、リンはシトラスティーを頼んだ。
「このお店雰囲気いいね。また今度昼過ぎに来ようね。」
「そうね。昼からじゃないとケーキとか売ってないみたいだし。なんで朝からにしないのかな?」
「あ〜それは多分準備に時間かかるからだと思う。」
「ん?でもモーニングを出しているお店あるでしょ?」
「お菓子とかケーキとかになると別なんだよ。正確に言うとモーニングとかって比較的作りやすいものばかりでしょ?それにこのお店はやることが多そうだからある程度余裕のできる午後からなんじゃないかな?」
「あ〜確かにコーヒー豆を挽いたりその場でお茶を入れたりするもんね。それに朝の1杯を飲みに来る人も多そうだし。」
このような会話をしながらまったりしていると時計が10時を指していることに気がついた。
「もう開園したね。リン、そろそろ行こっか。」
「うん!」
会計を終えた俺達は手を繋いで植物園へ向かった。
余談だが、お金の支払いは全て俺がしている。
というか、財産を共有しているので2人で出していると言ってもいいかもしれないが……
リン曰く、俺のお金使いは雑なところがあるから気をつけろとのことで少し自分でブレーキをかけているつもりだ。
……まぁ、それでも浪費してるとの事でリンが家計簿をつけている。
何にそんだけお金を使っているかと言うと、1番は旅費。
次に魔道具の材料だった。
少し自重しようと思った。
とりあえず今日はそんなことを考えずに楽しもう!
ちなみに王立植物園の夕日を見れる場所は海に面しています。
入江と湾の中間くらいの大きさで崖になっている所に出来ているのでオーシャンビューです。
敷地が結構広いので端の建物の時期は向かうのが大変です。
春、夏は比較的楽な位置にあります。