水の旅
僕は水の精
僕と一緒に旅をしよう
僕の仲間がたくさん集まっている海
みんなで手を繋いで海になっているんだよ
明るい海に暗い海
温かい海に冷たい海
風に押される海
月に引っ張られる海
いろんな海が繋がっていて
みんなで色んな海を旅しているよ
海を旅しているとね
お日様が僕たちを照らすんだ
いっぱい照らされるとね
とても暑くなって
僕たちは繋いでる手を離しちゃう
するとね
体が軽くなって
ふわふわとお空に登るんだ
お空に登ったら
風に吹かれて集まって
お空でみんなと手を繋いだら
雲になれたよ
風に乗ってお空の旅の始まりさ
山にぶつかって進めなくなったり
集まりすぎて雲の体が重くなったり
風が冷たくて寒かったり
そうするとね
周りの仲間とくっついちゃうんだ
たくさんくっつくと
水玉に変身するんだよ
体も重くなっちゃうから
お空から降りるんだ
寒いところで降りちゃうと
仲間と手を繋いだまま
凍って雪になるよ
雪が降ったらみてごらん
色んな形で手を繋いでるから
凍るほど寒くなかったら
水玉のまま降りていくんだ
ぽつぽつ
ぱらばら
ざーざー
ばしゃばしゃ
一緒に降りてく仲間の数で
いろんな音が聞こえるよ
地面に降りたら
地面の上でみんなと集まったり
土の中に隠れたりして
仲間がいっぱいいる海を目指して
旅を始めるんだ
地面の上に降りた仲間が集まって
水溜まりになったり
もっと集まって川になったり
土の中に隠れた仲間が集まって
土の中で地下水になったりして
海を目指して旅を始めるんだ
途中
お日様に照されて
お空に登ったり
喉の渇いた
草木を潤してあげて
葉っぱからお空に登ったり
川と地下水が集まって
もっと大きな川になって
海の仲間にやっと逢えた
僕たち水の精はね
毎日楽しい旅を続けているんだ
これからもずっとね