冬の妖精
雪がふってる
空がしろかった
土もゆきがつもってしろい
ぜんぶまっしろにくっついてる
びゅっと大きな風がふいてあたまがとんでいきそう
しゃがんで丸くなって、ティンカーベルがとんでくのをちょっと見た
雪でうすくなったお日さまが、よこからちょっと光ってる
じいちゃんが、ここはせかいのはじっこだって言った
まちではお日さまはてっぺんにいるって
よくわかんない
ティンカーベルがとおっていって、えんとつのけむりをのぞきながらとんでった
とんでった雪がまたふってくる
せかいのはじっこから、はじっこの先を見てみた
家のうらのハゲ山は氷の女王がすんでいて、木がならない
木がすめないとこには、にんげんもすめないってじいちゃんが言った
ポケットのドングリをつかむ
雪のうしろからかおをだした雪ん子に、ドングリをあげる
土にうめたら木がなるんだよ
ハゲ山にドングリがなったらいっしょにあそぼう
雪ん子が松ぼっくりをくれた
おお〜い、さむうなってきた、うちにはいれ〜
じいちゃんがよんだ
びゅっととんできたティンカーベルが雪ん子をつれてった
じいちゃん、雪ん子が松ぼっくりくれた
何をゆうとる
雪ん子がどうやって松ぼっくりもってくる
でも松ぼっくりくれた
……山に木がなったんか
あの松ぼっくりがなったんか
松ぼっくりがなったの?
ハゲ山にすめる?
雪ん子とあそべるかな?
じいちゃんと手をつないでうちにはいる
びゅっと大きな風がふいて、あたまがとんでいきそう
じいちゃんの足にくっついた
じいちゃんの足のあいだから、ティンカーベルにのった雪ん子が手をふった
バイバイ