今までまともに小説を書いた事も無ければ読んだ事も無いど素人が、なろうで連載を終えて約一年経った今、色々ぶっちゃけてみた
とあるエッセイを読んで、自分も何だか心境を書きたくなったので。
自分は漫画やアニメを見るのが好きである。
なので漫画家やアニメーター、声優やアニソン歌手になりたいと思った事もあった。しかし、唯一絶対に無理だと思っていたジャンルがひとつだけあった……
それがラノベ作家である。
絵を描く事は好きだったけど、実在するイラストを真似て描くぐらいしか出来なかった。
声優を目指した時期もあったけど、人見知りが爆発して無理だった。
歌には少々自信があったけど、今更プロの歌手を目指せるような歳でもなかった。ならば曲を作る側はどうかと思い初音ミクを使い作曲をし、実際にニコ動に投稿したりもした。
今では完全な黒歴史である……
もう自分に出来る事は無いのかと思っていた頃、いつものように見ていたアニメの原作がラノベで、しかもこのなろう出身だということを知った。
『もし、自分の書いた小説が書籍化されてアニメ化なんて事になったら、最高に嬉しいだろうな〜』
絶対に無理だと思っていたジャンルに、手を出す気になった瞬間である。
とはいえタイトルにもある通り、今まで小説なんてまともに読んだ事も無いし、ましてや只の一度だって書いた事も無いのにどうしよう?
(小説を書こうと思うきっかけになった作品のひとつ。自分が唯一始めて購入したラノベ「このすば」の一巻も、途中で読むのを挫折した程である。つまらないとかではなくて、単純に文字ばかりを見るのが苦痛だったからである)
そんなど素人がいきなり書き始める程、自分もバカではない。まずは世界観や設定等色々ノートに書いてみる事にした。
大体の話の流れや細かい展開等も書き込み、いつしかそれはノート数ページに及び、話数にしたら軽く百話は行くであろう程だった。
内容としては、舞台は現代の日本。ある理由で異能力に目覚めた主人公が、同じく異能力を持った子供達が集められた学園で(この時点で、とあるラノベと設定被ってる気がするけど)バトルをするという物だった。
「よし、設定は出来た! いよいよ書くぞー!」
スマホを手に取った自分は遂に、未知の世界に足を踏み入れた。
(自分は、制作も投稿も全てスマホ一本で行なって来た)
「えっと、タイトルは……『おっさんは魔法少女』……35歳にもなって童貞のおっさんが異世界に転移して、超絶美少女魔法使いに……いや、何でえええっ⁉︎」
せっかく色々設定を考えて随分先の展開まで考えていたのに、気が付けば全く違う設定の話を書いていたのである。
今思い出しても、何故いきなりそんな話を書き始めたのか、自分でもよく分からないのである。何故か急にそんな話が書きたくなったのである。
すぐに本来投稿予定だった話に切り替えてもよかったのだが、妙に気分が乗りもう既に何話か投稿しちゃったし、さすがに2本同時連載をする力量は無かったので、何とかこの話を完結するまでは書く事に決めた。
しかし決めたはいいが、ここで重大な問題が発生する。
「設定どうしよう……この先の展開も、何も考えてない……」
完全な見切り発車である。
そりゃそうだ。
「30過ぎのおっさんが異世界に行って可愛い魔法少女になったら面白いんじゃね?」
なんて軽い思い付きで書き始めたのだ。設定も何もあったもんじゃない。
まあ連載を始めたとはいえプロじゃないんだから、別に投稿間隔なんて気にせずじっくり設定を考えてから書いてもよかったんだけど、連載当初は続きを書くのが楽しくて楽しくて仕方がなかったのである。
それこそ寝食を忘れて没頭する程だったのである。
(こんなに楽しいなら尻込みせずに、もっと若い頃から書いてたらよかったな〜と、今になって後悔した程である)
せっかく気分が乗ってるなら落ち着くまで突っ走ってやろうと思い、書きながらどんどん設定を固めて行った。
自分の性格上、「気が向いた時に投稿すればいいや」なんて思っていると中々書けないのは目に見えていたので、自分の中で締め切り日を決めて、それに間に合うように書く事にした。
(今思えば、そのおかげで最後まで書ききれたんだと思う)
ワンピース作者の尾田さんが、オチを決めてから話を作っていくと仰っていたので、その手法を参考にしながら話を考えて行った。
ゴール地点が見えているから、途中で少々脱線をしてもちゃんとゴールには辿り着く。凄く良いやり方だと思う。
そんな感じで書き進めつつ設定を考えていると、また問題にぶつかった。
『おっさんは魔法少女』というタイトルなのに、主人公のおっさん要素がどんどん薄れて行くのである。
(おっさんが毎回魔法少女に変身するのではなく、異世界に行ってからはずっと少女のままだったからである)
「これ、主人公がおっさんである必要無くね?」
そんな疑問が頭をよぎった時、当初考えていた設定が崩壊してしまった。
ハイ。ここでぶっちゃけます。
『主人公でおっさんである筈のユーキが実は、元々異世界に存在していた本物の女の子だった』という設定は、完全に後付けです。
(当初はおっさんの精神(魂)が異世界の少女に憑依した、みたいな設定でした)
しかしそう変えた事により、更に問題が発生した。
「じゃあ何でその本物の少女が違う世界に行って、おっさんになっていたのか?」
正直、その辻褄を合わせるのには苦労した。
何しろその時点で結構話数も進んでいたし、既に投稿していた内容に矛盾が生じて来たからである。
どうにかこうにか辻褄を合わせ、過去の話を修正して何とか上手く誤魔化せ……まとまった時、またまた問題が発生した。
「タイトル、このままじゃマズイな〜」
そう。主人公が元々本物の女の子だったのなら、『おっさんは魔法少女』というタイトルはおかしいのである。
また悩んだ。
そんな時、あるサブタイトルが目に入った。
『ユーキと天使と悪魔と猫』である。
これは当初自分の中で売りにしていた『夢見るユーキ』シリーズのひとつである。
(夢見るユーキシリーズというのは、まだ記憶喪失中だったユーキが、夢の中で猫師匠におちょくられ……面白おかしく会話する話である)
これはその番外編で、パティと闘っていたユーキが追い込まれてズルイ手を使おうかどうか悩んでるいる時に、アニメとかでよくある頭の中で天使と悪魔が戦うという奴である。
ハイ、ここでまたぶっちゃけますと、この時ユーキの頭の中に出て来た登場人物は、ユーキ(本人)と天使と悪魔、そして猫(猫師匠)というメンバーになります。
まあ、読んでない方には何の事かサッパリであろうが、これを期に読んでくれたら嬉しいな〜という下心有り有りなのである。
この時点ではもうユーキの設定も固まってたし、何気にこのサブタイトルが気に入ってたので、この先の展開を匂わすという意味でも少し変えて、『ひめてん〜姫と天使と悪魔と猫〜』というタイトルに変更したのである。
なろう的にはおそらく『おっさんは魔法少女』の方が分かりやすくて良かったんだと思う。
しかし設定上そうもいかなくなったので、一見内容がよく分からない、なろう的にはアウトなタイトル『ひめてん〜姫と天使と悪魔と猫〜』にしたのである。
(因みにこの姫とはユーキ(マナ)の事である。つまりこの物語は、3人の神様と、その騒動に巻き込まれたマナ王女の物語なのである)
設定もようやく固まって本格的に書き進めていた頃、ある事が気になり始める。
「ブクマ少なっ! 全然読まれてないじゃん⁉︎」
投稿を始めてから知ったのだがこのなろうは、数ある小説投稿サイトの中でも、登録者数がダントツに多いらしい。
しかも更に、その中でも一番の激戦区だと言われる異世界転生ファンタジーのジャンルに、よく知りもしないど素人が無謀にも挑戦していたのである。
「そりゃ、一瞬で埋もれるよな〜」
ハイ。読まれないのは投稿数があまりに多過ぎる為だと思ってました。
「読んでくれさえすれば、人気が出る筈!」
多くの人に読んでもらうにはどうすればいいか、ネットで色々調べてみた。
レビューが付いた作品は、PV数やブクマが一気に増えるらしい。
なるほど。
「でも誰もレビューなんか書いてくれないし……」
自作自演で評価ポイントを上げるなんて方法もあるらしいが、さすがにそれはダメだろうと、思い留まった。
しかし想いは募る。
「誰かがレビューを書いてくれたら、一気にポイントが伸びてランク入りして書籍化してアニメ化も夢じゃないかも⁉︎」
ハイ。ここで一番ぶっちゃけます。
会社の上司の方に頼みました。
「内容はお任せしますから、レビュー書いてくれませんか?」
説得して書いてもらいました。
(いや、身内や知り合いが芸能界デビューしたら、その人の出した本やCDをいっぱい買ったりするだろうし、身内に頼むのはギリギリセーフだよね?)
結果、確かにPV数もブクマも少しは増えた。
しかし、ランク入り! なんて言う程の効果は無かった。
「う〜ん。投稿したタイミングが悪かったのかな〜?」
懲りもせず、今度は身内に頼んだ。
結果は同じだった。
(今思えば、大して人気も無いのにレビューが2つも付いているなんて、違和感以外の何者でもないだろう。自作自演を疑われて警戒されたのかもれない。これは完全な失策であった)
その間にも、小説大賞等の色々な賞に片っ端から応募してみた。
結果、全て一回戦落ち。
ここでようやくこのど素人は気付いた。
「はは〜ん。どうやら自分の小説、面白くないな〜⁉︎」
正直凹んだ。
しかしその事実に気が付いてからは、むしろ気持ちが楽になった。
「うん。だとしても、たとえ僅かでもブクマを付けてくれた人が居るんだ。面白いって言ってくれる人も実際居るんだ。その人達の為にも、絶対最後まで書ききってみせる‼︎」
そして初投稿から約一年半、遂に完結させる事が出来た。
途中から投稿の度に毎回律儀に感想を書いてくれる人も居た。
その方のおかげで、最後までモチベーションを保っていられたと言っても過言ではない。
「やっぱり、感想って大事」
(因みにこの方は、リアルの知り合いでも自作自演でも断じて無いという事は強く訴えておく)
割と早い周期で投稿していた所為もあってか、最終的なブクマ数は300ちょっとまで行った。
(完結したら減って行くかと思っていたが、一年経った今も300人以上の人が付けたままにしてくれているのは正直嬉しい)
嘘か本当か知らないが、このなろうでブクマ数が100を超えている人は、全体の1割程度だとか?
もしそれが本当なら、とても自慢出来る事だと思う。
そして何より、投稿された作品の中で完結している作品が圧倒的に少ないらしい。
(話が終わってもいないのに、無理矢理完結と言い張っている作品は多いのだろうが)
攻撃的な批判コメントに、心を折られて書けなくなった人も多いのだろう。
そういう意味では自分の小説は人気が無かったので、そういうねたみんのターゲットにならずに済んだ事は、むしろラッキーだったと言えるかもしれない。
なろうの上位に居る作家には、数多くの作品を書籍化している作家が多数存在している。
しかし中には、連載途中で未完結の作品を多く抱えている人気作家も居る。
これだけは声を大にして言いたい。
「どんなに人気があっても、自ら始めた作品を完結させられない作家は三流である‼︎」
先に書いたように、批判コメントの所為で精神を病んで書けなくなったり、体調を崩して書けなくなった人は仕方ないとしても、ちょっと人気が出ないからとか、書く気が無くなったとか言って途中で投げ出す作家は三流である。
「只の趣味で書いてんだからいいじゃん」
とか言う人も居るであろうが、只の自己満足の趣味で書いているだけなら、初めから投稿しなければいいのである。
こういうサイトに投稿するということは誰かに読んでもらいたいと思ってる訳だし、それで例えひとりでもブクマを付けてくれた人が居たなら、その人の為にも必ず完結させる責任があると思う。
(ここで試しに投稿してみて、人気が出た作品だけを本格的に書いて行こうなんていう発想のプロ作家はクズである)
(いくら無料で読めるとはいえ、みんな続きを楽しみにしているのである。完結させる気が無いなら、初めから投稿するな! なのである)
随分長々と書いてしまったが(最後は何だか愚痴のようになってしまい申し訳ない)
結局何が言いたかったかと言うと。
「始める前から諦めずにまずは書き始めてみれば、自分のように楽しくなるかもよ?」
(まあ、書き始めたからにはちゃんと最後まで書ききろうね。楽しみにしていた作品が未完結のままいきなり終わるのって、ホント悲しいから)
という事と。
「いつか絶対ラノベ作家になってやる‼︎」
という事です。
あ、あとついでに。
「いくら人気があろうと、常に作品がランク入りしていようと、話も完結させられないような三流作家には負けてないぞーっ‼︎」
長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
いつの日か、面白い作品で再開出来る日を夢見て。
現在は次作の構想を色々練ってはいますが、まだ中々連載には踏み切れません。
しかし今回のエッセイでも書いているように、いきなり書きたくなったりするかもしれませんので、その時はまた生暖かい目で見てやってくださいませm(_ _)m