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片糸のよる

アイと鈴は人混みの中を歩いて進んだ。


「いろいろな店があるんだな」


ふと、アイの視線がある店に留まった。


「・・・・・・りんご飴、好きなの?」


鈴が尋ねると、


「食べたことはないが、丸く綺麗で美味しそうだな・・・・・・」


珍しくアイの目がキラキラとしている。


「わかった!私並んで買ってくるからここで座って待ってて」

鈴は、座れそうな石垣を指差して言った。



「りんご飴1つ」

「はい、400円ね」


しばらく並んで、りんご飴を1つ買うと急いでアイの元へ戻る。



「おまたせ、アイーー」


鈴の目に飛び込んできたのは、見知らぬ可愛らしい女の子と楽しそうに話すアイだった。

心がざわざわとした。


「行こう!アイ」

アイの手をぐいと引っ張る。


戸惑うアイの手を引きながら

しばらく歩いて人気のない神社の裏手へ来た。



「ーどうした、鈴?」


「・・・・・・アイが他の子と居るの見たら、なんか嫌で・・・・・・」


きょとんとした顔をした後、アイはふふっと微笑んだ。


「妬いてくれたのか?」


「ち、違・・・・・・アイは美人だから他の子が寄ってくるのも仕方ないけど・・・・・・!」



りんご飴をスッと手に取り、


「さっきの女子からは、一緒に回ろうと言われたが、あいにく相手がいると断っておいたぞ」


とにこにこしながらりんご飴に口をつける。


「美味だ。食べるか」


「うん・・・・・・」


1つのりんご飴を、2人で仲良く分けた。


甘酸っぱくてどこか懐かしいーー。



雑踏から、少し離れたここはアイの居る祠がある場所だった。


2人が初めて出会った場所。


りんご飴を食べ終えた鈴は、お参りをすることにした。


アイは静かに横で見ていた。


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