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陽炎の心燃ゆ


海で溺れたあと、鈴のことを助けたアイは

その後姿を見せなかった。



もうこのまま会えないのではないかー。

鈴は気が気でない。


夜もなかなか寝付けなかったが、優しい音楽を聞いたりアロマを焚いたりしてなんとか眠りに落ちた。



夢の中で暫く立っていると、アイがすうっと現れた。

少し顔色が悪くふらついている。


「大丈夫?アイ・・・・・・」


鈴は心配しながら言った。

アイは息を切らしながらうつむいている。


「・・・・・・もしかして私を助けたから?」



アイは小さく口を開いた。


「あの時は充分に霊力がない状態、だったからな。心配ない。ただの霊力不足だよ」


そう言うとアイはよろけながら鈴にしなだれかかった。鈴は慌ててそれを支える。



(どうしよう。私のせいだ・・・・・・)



動揺して泣きそうになる鈴。


「霊力、あげたら元気になる・・・・・・?」


「ああ、悪いな」


「わかった・・・・・・」


鈴はアイに優しく口付けした。


何度も夢で霊力を分けていたが、鈴の方からキスをしたのは初めてだった。


鈴の力が次第に抜けていく。


大分霊力を吸われたが、アイが加減したのか鈴はまだ意識がはっきりあった。


まだ元気のないアイを見た鈴は、



「ーもし、まだ霊力が足りなかったら私の身体をー。」


とアイの手を自分の胸に置く。



自分の言ったことを反芻して鈴の心臓は瞬く間に早くなり、壊れてしまいそうだった。



ふふ、とアイは優しく微笑みかける。


「こういうことは、好きな人とするんだろう?」


鈴の胸がずきんと痛む。


「大丈夫だ、ありがとうー」


意識が遠のき、鈴は目覚める。時計を見ると朝6時を回っていた。

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