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雨衣

  雨がベランダにぶつかる音がする。梅雨に入り、ここのところ日の光を見ていない。


「外にも出かけられず、つまらぬな」

退屈そうにアイはあくびをした。


「私は、雨が降るとなんだかわくわくするけどなあ」

鈴は部屋に掃除機をかけ終えて、ふうと息をついた。



「雨の音を聞きながら読書とか、好きなこととするのって、粋じゃない?」


ベッドに倒れ込みスマートフォンを開くと、アイが横から興味深そうに覗き込む。



オカルトが好きな鈴は、ネット上の不思議な話を調べながらタップやスクロールする。そこには異世界の話が羅列されていた。


「ねえアイ、異世界って本当にあるのかな。パラレルワールドみたいな。いろんな駅があったり、空の色が違うんだって」


「体験しているものがいるならばあるのではないか。こちらの世界に不便はない故行きたいとは思わないが・・・・・・」


ネットには異世界への行き方がたくさん書いてあり鈴の興味を誘う。


他にも、鈴と同じ狐憑きの話や神隠しの話、降霊術などがあった。


「ん?これ怖いね・・・・・・一人かくれんぼだって」


「やらない方がいいな。自分に呪いをかけるようなものだ」


さすがアイはこの手のことに詳しい。


「じゃあ逆に、アイの知ってる不思議な話をしてよ」

鈴は前のめりでアイにせがむ。



「呪いの類の話をしていると、低級霊が寄って来るからな…」


アイは躊躇した。



「私の昔話ならしてやろう。まだ使いを始めたばかりの頃の話を」


「えっ、アイの話なんて珍しい!聞きたい聞きたい」


鈴が目を光らせた。


「あれは、もう400年も前の話・・・・・・」

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