ニュース
「自殺した人がに何処かの掲示板にその趣旨を投稿していたら」と何となく思いついた作品です。伏線も何もありません。
テレビのニュースキャスターがニュースを読み上げている。
「今日正午過ぎに〇〇会社の××さんが会社の窓から転落しされました」
キャスターがそい言うと、スタジオから現場らしき場所に画面が切り替わった。
テロップが流れる。
「何故転落したのか?事故なのか、故意なのか?」
レポーターが目撃者にインタビューをしている。
「どのような様子でしたか?」
「どうしてこんな風になったのかしらね。ビックリしましたよ」
突然のことに驚く会社員らしき者を数人、インタビューし終わると、画面は再びスタジオに戻る。
キャスターが詳細について話し始める。
「実はこの男性、転落直前にある文章をネットに書き込んでいました」
画面にネットの書き込みが表示される。
『もう嫌だ、死んでやる。見に来たいなら見に来てくれ、場所はーー区の〇〇ビルだ。俺の新しい門出を祝ってくれ。』
「これはどうなんでしょうね」
「これを見るからには自殺と考えれますね」
「会社が厳しかったのでしょうか?」
「彼は何故、死ぬ直前にこのよな書き込みをしたんでしょうね」
「だぶんですけど……」
スタジオにいる人たちがコメントしている。
そこに新たな情報が舞い降りて来た。
「ここで新情報です。自殺したとみられる××さんの自殺現場にいたと言う者が見つかりました。映像をご覧ください」
映像が流れでる。
1人の男性が映り、ブツブツと呟いている。
「俺は悪くないぞ。あいつが悪いんだ。俺はただ失敗したあいつを叱っただけなんだ。俺は悪くない、悪くない悪くないと言ったら悪くないんだ」
「あの~、私の声は聞こえていますか?っていうか、ホントに大丈夫ですか!?」
男はアナウンサーなど見えていないかのようにただひたすら「俺は悪くない、悪いのはあいつだ」とブツブツと呟いている。
カメラマンもこのままでは放送事故になると思ったのか、カメラを別の場所に向ける。
この日のニュースはここで終わった。
後日警官の取調べを待つばかりとなった。
後日、男は精神を壊し、事件の詳細は不明となった。
詳細は不明だが、帳簿には記さなければならない。
その事件は『自殺』と記される。
どこの世界にも自殺問題は溢れている。
今回の自殺事件だってそうだ。
自殺事件の自殺者である人の気持ちは誰にも分からない。
分かるのは自殺した本人のみ。
そして、自殺した彼らの思いなどは世間に理解されない。
だから、
この世界は生きずらい人には生きずらいのだろう。
自殺した人は原因を理解されずに死んでいく。そんな感じに持っていきたかった。
何気なく書いた短編ですが、少しでも時間潰しにでもなりましたら幸いです。