表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/21

失恋から始まる恋模様4

「……圭織、わかっただなんて言わなくて良いんだよ。本当に断りたいなら、アイツに自分で断らせればすむことなんだから。アイツの都合で、……圭織がそう言う必要なんてないよ」

 と、そう言う優しい声の持ち主は、……間違えなく外川くんだった。

 ――あっ。また、外川くんに助けられたんだ……。と、そう私は考えれば不思議と涙が引いていった。

 そう考えていたうちに、外川くんは恐らく新一くんに視線を向けていて、あの優しい声が怒りの満ちた声へと変わり、こう言う。


「……圭織に構ってないで、早く愛しい彼女さんのところに行けば? ……アンタの彼女さんが圭織に嫉妬して、何かしたのならば……俺は許さないから」


 そんな優しすぎる、外川くんの言葉に再び涙が出そうになった。


◇◆◇◆◇◆


 新一くんが路地裏から去り、私と外川くんの二人っきりとなった。

 私は助けてくれた外川くんにお礼を言おうと、彼の方へと振り返ると……。

 学校での姿とは、別人ように変わった外川くんの姿があった。


 ふわふわと癖毛に見せた栗毛、その目に囚われそうになるくらいに惹きよせる、……まるで海のように青い瞳をし、モデルをしてても違和感のないほどの整った顔をしている。

「……外川、くん?」

 と、思わずそう呼べば、外川くんはニコリと穏やかな笑顔を浮かべた。

 ――あっ。間違えなく、外川くんだ。と、何故かそう思ってしまって。

 そう思っているうちに、外川くんは私から少しだけ離れ、こう言った。

「俺ね、ハーフなんだ。この見た目だから目立つでしょ? でも、カラーコンタクトは入れたくなくて、前髪で隠してたんだ。だから……、このことは誰にも言わないでね、桐沢さん」

 と、そう言った外川くんの言葉に私は勿論、縦に首を振った後、さっきから気になっていたことを言葉にした。


「……どうして外川くんは、そんな格好をしてるの?」


 まるで執事と、童話の白ウサギのモチーフにした洋服を何故着ているのかと、気になっていたのでそう聞いてみれば、外川くんは照れながら笑った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ