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プロローグ

最終部分以外、鄭還古 著 杜子春伝のあらすじの紹介です。

TS転生出産ネタがあるので、苦手な方はご注意ください。

 遥か昔、杜子春と言う金持ちの息子がいたという

 彼は、放蕩の限りを尽くし、親からもらった遺産を使いつくし、家を失ってしまった。

 途方に暮れる杜子春。


 杜子春に対して一人の老人が声をかけた。

 老人は、波斯ペルシャ人の屋敷に来れば、未来が開けると杜子春に声をかけた。


 波斯人の屋敷に赴いた杜子春に対して、老人は大金を杜子春に手渡した。

 これだけの金があれば、普通は一生暮らせる額である。


 だが、杜子春は放蕩の限りを尽くし、あっという間に使い切ってしまう。

 再び家を失う杜子春。


 老人が再び現れ、今度はもっと大金を杜子春に渡した。

 杜子春は、初めこそ投資をして増やそうとするが人はそう簡単に変われるものではない。

 遊び呆けて、使いきるまでに時間はかからなかった。

 そして、再び家を失う杜子春。


 老人は今回も、大金を渡した。

 杜子春は、三回も援助してくれる老人に感動し、自分の人生を整理して後は、自分を思い通りにしていいと老人に申し出る。

 老人は、それならば、来年の夏までに準備をするようにと伝え、杜子春はそのための準備を始める。


 杜子春は、莫大な資金を用いて投資を行い、その利益により親戚の孤児のための施設を作り、甥や姪には結婚の持参金を与え、いつ姿を消してもいいように準備をする。

 一族の墓をしっかりとしたものに変え、恩人に対しては恩義を果たし、仇に対しては復讐した。


 約束の日に杜子春は、老人の元に赴く。

 老人は自分が道士であることを明かし、杜子春を山奥に連れて行き、白い石薬を三丸与えられ、絶対に超えを出してはいけないと無言の行を命じる。

 杜子春は、今までの恩義から絶対に声を出さないと誓う。


 道士が去ると鬼の集団が現れ、杜子春にちょっかいをかける。

 だが、杜子春は声を出さずに我慢する。

 毒虫や嵐が杜子春に襲いかかるが、杜子春は沈黙を保つ。


 鬼達が戻ってきて、杜子春の妻に対して拷問を始める。

 妻は、


「一言貴方が話してくれれば、私は助かるの。なのに、なんで黙りつづけるの?」


 しかし、杜子春は妻のことを気にすることなく沈黙を保った。

 妻を鬼は殺したが、杜子春には関係なかった。


 鬼の将軍は、杜子春殺害を命じ苦しみ抜いて殺された。

 しかし、杜子春は沈黙を続けた。


 閻魔大王の前に連れられ、


「弁解したいことはあるか?」


 問われても沈黙を保った。

 弁解の余地なしと閻魔大王は判断し、地獄行きを命じ、地獄の苦しみを杜子春は与えられ続けた。

 しかし、杜子春は沈黙を保ちつづけたのである。


 苦しめても無駄と判断した閻魔大王は杜子春を輪廻転生させることにした。

 杜子春は女として生まれ変わった。

 身体が弱かったこともあり、お灸をすえられたり、火に落とされる等の事故に巻き込まれたが、杜子春は一切声を出さずに過ごした。

 親達は、杜子春の生まれ変わった女子が声を出せないのだと判断した。


 しかし、この女子は絶世の美女となり、科挙の進士科に受かった若者に求婚された。

 親は、女子が声を出せないことを理由に断ろうとしたが、若者は諦めなかった。


 女子は若者の妻になり子供が生まれた。

 だが相変わらず、沈黙を保ちつづけた。


 ある日、夫となった若者が激高した。


「お前は、私を馬鹿にして話をしないのだろう? こんなことなら子供等いらぬ!」


 あろうことか、男は我が子を殺してしまう。

 それを見た杜子春の生まれ変わった女子は赤子への愛から、ああ! と叫んでしまった。


 すると、世界が崩れていき、風景は元の山奥に戻っていた。


「お前が黙りつづけていれば仙薬が完成し、お前も仙人になれたというものを。愛ごときで声を出しおって! 失望したわ」


 道士は叫んで杜子春を崖から突き落とす。


 杜子春は、奇跡的に助かったが、再び同じ山奥に戻ると誰もいなかった。




 鄭還古 著  杜子春伝 より



 この講談を聞いた今上帝の三十三男である皇子、朱棒は激しく恐怖した。

 今は金を与えられ贅沢に暮らしていられるが、金を失って家を失ったらどうなるだろうと。

 四歳の彼は、本来の説話とは無関係なところから未来に足を進め始めたのである。

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