プロローグ
奇想天外摩訶不思議。
いきなり漢字の羅列を並べてみてすまない。
だけれど、これはそんな奇想天外摩訶不思議なもの。
…だって、僕はそういうものを今体験しているのだから…困ったもんだ。
「私の…ボディガードになりませんか?」
と、突如僕は言われたわけだ。
それもこんな夕日が綺麗な学校の屋上で。
さらにそういったのは、我が校、姫乃川学園のマドンナ、山城光希だ。
…そして、僕はというと、この学園の成績も普通、顔も普通。
僕なんか、そうそう手の届かない人なのに、この人は僕にボディガードを申し出た。
「いや…僕…そういう事したことないからなぁ…」
僕は空を見る。
まあ、実際そんな大きな事はできるわけがないと思っていたからだ。
「けれど、私は怖いのですよ…ここにいて、この夕日を眺めたいだけなのに、その度に誰かに襲われるという事を考えなくてはいけないのは…とても心狭いです」
彼女はそういうのだ。
夕日がよく映えているここで彼女は揺ら揺らと自身の綺麗な黒色の髪が揺れている。
それに魅了されつつも、
「か、かもしれないけれど・・・僕は山城さんを守れるようなやつじゃないよ…ほら、同じクラスにいる
折原のが頼りになると思うよ」
「いえ、そんな事ないわ」
僕の発言の後にすぐにそう答える彼女。
…全くどういうことなのだろうか。
して、僕はそのボディガードを受けることになったわけだが…。
…これからどうなるのか。
まず、どうして僕らがここに…というか、僕がこの屋上にいるのかからお話するとしよう
登場人物
桐谷 剛
光希から突然ボディガードを任される主人公。
人の一日の行動を自分の手帳に書き記すのが日課という
変わった性格。
私生活や妹の影響でオタクと思われている。
山城 光希
剛にボディガードを頼むヒロイン。
黒髪ロングに、頭に鈴の髪飾りをしていて、少し小柄。
クラス、学園問わず人気がある。
あまり大きくないことを少し気にしている。
折原 康作
一言で言うとイケメン。
誰もが口を揃えてそういうレベル。
ただ、女癖に難があり、いい噂が流れていない…というのが噂。
実際は人付き合いのうまくない引きこもりの少年。
そのため、オタクとして周りからのけものにされている剛と仲がいい
剛の事をいつも気にかけている。