二十一話ら!!!!!!!!
『いや、しかし主人公どころか、主要登場人物さえ出てねーぞ、オイ』
「あはは」
『また笑ってごまかそうとしてるだろ』
「にぼしで出汁とると美味いだろ」
『図星といいたいのだろう、え? オイ!』
「今回は仕込みなの、一般小説なら良くあるだろう。出汁とってるだけだって。雰囲気作りなの」
『なろうじゃ、んなこと誰もやってねえんじゃね。さすがに主要登場人物は出てるぞ、たぶん』
「オレの筆力が勝手に書かせるんだ。導かれているんだよ」
『んなワケあるか。おまえの脳がやらせてるんだよ』
「そんなことないぞ。ヒトヅテの又聞き話で悪いが、こんなコトを聞いたことがある」
『また下らねー話だろ』
「まあな。ここに猿並みの知能と揶揄される人物がいたとしよう」
『続けるんかい』
「実際、頭が悪いかどうかは知らんがゴリと呼ばれていたらしい」
『宇宙猿人か? 前回に引き続きスラムダ○クか?』
「どちらにしろ顔はニュアンス的にそうらしい」
『おいおいヒデーな』
「そしてゴリくんは先輩に連れられてキャバクラに初見参だ。デビュタントさ」
『ファンタジー仕様の小ネタ入れるな』
「ま、ハマルわな。顔、ゴリだし知能もゴリだし」
『通ったのか?』
「らしい」
『ありがちだな』
「それでまあ、金が続かんわな」
『かつてのバブルな紳士やIT社長じゃあるまいしな』
「で、ゴリくんは会社の男子寮にいたらしい。いつの時代か正確にはわからんが、二人部屋だったそうな」
『ってオイ』
「うむ、同室の奴の財布に手を出したんだな、これが」
『オイオイオイ犯罪だろ』
「そうさ。で、その同室の奴も頭のネジのゆるいヤツで、ずいぶん抜かれても確信が持てなかったらしい」
『バカだろ』
「バカだな。それでそいつは先輩に相談した」
『まさか、その先輩って?』
「そう、キャバクラデビュタントさせた張本人らしい。ちなみにゴリくんのおごりで、ずいぶんキャバ遊びしたらしい」
『んー、けっこう責任ある感じだし、その先輩も諭したのか?』
「まずお札の製造番号を控えさせた、その同室のヤツに」
『はあ?』
「次に財布をいつものように置いたまま、ちょっとそいつを部屋から離れさせた」
『ええっ!?』
「で、すぐ後にゴリくんは財布の中身を検められた。むろんお札の製造番号ばっちり一致だ」
『ハメたんかよ、その先輩! ムチャクチャだな』
「名軍師といったとこ?」
『ここでもファンタジー仕様かよ』
「ゴリくんも最初はお札の番号なんて同じものいくらでも有るでしょう、と言ってとぼけたらしいがな」
『ねーよ、一枚いちまい違うの知らんのか、そいつ』
「いっしょの数字があったら偽造だと追求したらゲロったらしい。あっゲロッタ! ちゃんちゃらら~。あっゲロッタ! ちゃんちゃららら~」
『ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ~、はっゲロッタ!』
「ジェームス・ブラウンのマネはいいとして、ホントばかだろ」
『バカだねバカだね~学〇の編集バカだね~』
「おまえも小ネタ入れるな。ま、あの〇研の本は酷かったらしいが。で、同じ会社の同僚だし、警察沙汰にするのも忍びない、というワケで今まで盗んだ分を毎月ちょっとずつ返済することになったんだ。少なくない額だったらしいからな」
『ふーん』
「しかし、そいつはやはりバカだった」
『まだ続くんかい!』
「一応は毎月返済していたんだが、残された生活費でキャバクラ通いをしていたんだ」
『オイオイ』
「さすがにゴリくんに説教するんだが、ゴリくんは開き直った。返済はちゃんと続けているから、残りの金はどう使おうが自由だと言ったんだ」
『え~~~~~~っ』
「全額返していないのに、そりゃないだろー、って思うわな。温情で警察沙汰にしなかったのに」
『まあ、誰でもそう思うわな』
「ゴリくんも説教で一応納得したそぶりで、返済が終わるまでキャバクラに行きませんと誓うんだが」
『だが?』
「行ったんだよ、これが。そして、それが露見というわけだ」
『やっぱりか』
「まあ説教の再戦だな。それでどうしてキャバクラに行かないという約束が守れないかと訊いたところ」
『何て言った、ゴリは?』
「体が勝手に動くんです、だとよ」
『動かねーよ! そいつ首筋にジャックイン・プラグの穴、開いてるんじゃねーか』
「キャバ嬢が〈人形遣い〉か? 二つ名持ちかよ。電脳の海に漂ってるんかい」
『そういや、おまえも〇〇ちゃんの顔みたさにパチ屋行ってたな。〇〇ちゃんも人形遣いか?』
「んなワケあるか! 〇〇ちゃんはムチャ可愛いからしょうがないの。むしろ〇〇ちゃんにハックされたら嬉しいかも」
『ダメだこりゃ。腐ってやがる』
「薙ぎ払えーッ。どうしたバケモノ、それでもオマエは旧世界を焼き尽くした怪物の末裔か?」
『おまえが危ないネタやってるじゃねーか』
「ひとつだけハッキリしてる事があるな」
『なんだよ』
「ク〇ャナはダンゴ虫が嫌いってことだ」
『ダンゴ虫じゃねーよ! 〇蟲だよ!!』
「目の色が赤い! 攻撃色を治めさせるぞ。幸いオマエはオレの心の分身で姿がそっくりだ」
『それがどうした』
「『行くぞ!! モス〇~や、モ〇ラ~』」
『おれにまでハーモニーさせるな! って王〇だろ! 〇蟲! モ〇ラじゃねー!! 似てるけど!!! 東京タワーに糸吐かないし、双子の女小人も歌わねーよ。誰がザ・ピ〇ナッツなんか知ってんだよ』
「南海の怪獣大決戦に出てたっけ?」
『知るか』
「じゃあ、またねー」
『あきれられなきゃいいけどな、じゃあ次回』
◆◇◆
『毒饅頭を敵軍に送り込む策の軍師って、やっぱ諸葛亮?』
「そうだな、曹操に寝返りを偽装して味方の将を送り込んだ、って話だったような」
『おいおい、大丈夫か?』
「さあ? 三国志に大して興味ないし」
『製造番号控えたお札を送り込む策を授けた、とんでも先輩のたとえとして、孔明は不味くねえか? また嫌われるぞ』
「いいんじゃね。なんか三国志の英雄って、いうほど凄いとは思えないんだよな。何、ありがたがってんの、って感じなんだよな」
『おーい! ここはオマエがケンカ売るコーナーか?』
「そんなつもりは無いんだが……なんでだ?」
『天然かよ!』
「だって三国志の英雄って、信長みたいに何か新機軸で時代を変えたとか、アレクサンドロスのごとく誰も成し得なかった偉業を初めてしたとか、はたまたチンギスのように大帝国打ち立てたとか、そんなの無い感じじゃん。だよな?」
『おれに聞くな』
「曹操なんかさっき言ったように、偽装寝返りの将をあっさり信じて大敗しちゃうだろ。確か赤壁だよな?」
『だから知らねーって』
「まっ、そんな乾坤一擲の戦いで、それをやっちまってバカじゃね、ってふつう思わないか?」
『こらこらマニアの方に殺されるぞ、たとえ事実だとしても。そこは孔明の策だと信じろよ』
「いやいや曹操なんて性格が狷介なだけに調略なんてダメじゃん。敵将を餌や人格で寝返らせたなんて、ソウソウないだろ。ドヤ」
『ぐあーーーッ! しょーもないぃぃぃぃ!!』
「流せ!! それが突然、大事な戦いの前にだろ、大喜びせずに疑えよって言いたくならんのかね。孫策だか孫堅だかはともかく、これで劉備の蜀は潰せるってのに。日本の名のある戦国武将なら誰も引っかからないぞ。少なくとも一大決戦の時に、そんな重要なとこにゃ寝返ったばかりの将など絶対に置かないわな」
『そりゃ、人は信じたいもの信じるしな。曹操のことじゃないぞ、マニアの方々だ。三国志の英雄たちこそ最高と信じたいんだろ。おまえだって○○ちゃんのこと最高にカワイイって信じてるだろ』
「まあ、実際に〇〇ちゃんはカワユスだからいいんだよ。個人の好みで上下動するもんだ、それは。オレの中では永遠のナンバー1だ」
『カワユス、って何で急にショ〇タン?』
「んー、何かカーラジオ聞いてたら、ワケノワカラン番組やっててな。アニソン・アカデミーとかいう番組だ。NHKーFMだったりする。いきなり勇者ライディーンのオープニング曲が流れてきたときは、かなりビックリしたぞ。ちなみに昔のやつだ。ヒビキアキラがバイクに乗ってフェードインするやつな」
『そりゃまた古いな』
「オレなんか子供のころにライディーンの超合金持ってたからな。ちゃんとゴッドバードに変形したぞ。ただ、すぐに股間節ゆるゆるになってバード体勢保てなくなったけど」
『情けない勇者ロボだな。神秘の力が泣くぞ』
「しかし今思うと、ゴッドバードとか体当たりで敵を撃破できるんかよ。と思うけどな。自分も一緒に大爆発だろ普通」
『科学忍者隊も一緒じゃん。昔のアニメにリアリティを求めるな。ガンダムでさえ突っ込みどころ満載だろ。だいたいオマエの作品だって大概だろ』
「オレのはちゃんとグレーゾーンにいるだろ。チョット考えると、たちまち溢れる神秘の力~になっちゃうけど」
『行け行け勇者だな』
「ま、そこはファンタジー仕様さ。だからなろうの登録ジャンルをファンタジーにしたんだって。だからと言ってチーレムまでいくと臨場感とかハラハラドキドキとか壊滅してどーでもよくなるけどな。あれとかよく読み手も飽きないよな。最近、転生とかチーレムとかあらすじに書いてある時点で読まなくなったからな。すまないが完無視だ」
『おいおいバラすなよ』
「でも科学忍法 火の鳥とか、敵の攻撃が効いているのに、その時だけ機体強度上がって体当たりでも無傷とか、今思うと? だよな」
『戻るんかい! で、どうして機体強度上がるだ?』
「おまえも付き合うやつだな。しかし、それをオレに聞くな! おおかた体当たり攻撃はカッコいいと思ったんだろう」
『え〜〜〜。カッコいいと機体強度上がるんかよ』
「リアリティ無視じゃねーと上がらんわな。でも実際オレも思ったし、カッコいいと」
『まあ、子供のころだしな』
「しかし、なろうでもデカイ魔法ぶっ放せばカッコいいとか、今だに思ってるんだからいいんじゃね」
『それで人気出るなら美味しいかも知れんぞ。地形変わるくらいのチート魔法やったれや』
「子供向けアニメなら分かるが、ネットとは言え小説でか? 他人の百番煎じ書くくらいなら最初から書かねーつうんだ」
『おいおい! だからチーレムとか、なろう主流を否定するようなニュアンスのこと言うなって。野党にもなれない零細も零細、孤流だろオマエ。亀井静◯の緑◯風よりヒデーだろ』
「亀井〇香はどこいったー、と国会でギャグとして言われるよりいいじゃん。オレのはその内輪ノリの思考連中からは無視されるような作品だし。どーせヤツらは気づかんだろうし、悪口雑言いったろうか」
『んー、まあチーレム好きはもともと見ないからイッカ』
「よーし、これからは好きほうだい言ったるか」
『今まで言ってなかったんかよ』
「ん〜〜んん?! アレ? 言ってるな、かなり好き勝って」
『どうしようもねえーな』
「ダメだこりゃ」
『オメーが言うな!!』