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僕
小学生の頃、僕はクラスメイト全員から無視された。要は集団シカト。存在そのものを否定された。
その理由は簡単。勉強だろうがスポーツだろうが、何でも僕が人並み以上に完璧にこなせたからだった。当時の僕にとって全てのことを一人で完璧にこなせることは当然で、逆にそれができない奴等の方が理解できなかった。
そんな僕を表では羨ましがり褒め称え、裏では妬み蔑んでいたのだろう。無視される前に誰かがこう言っていたのをまだ覚えている。
「お前は一人でなんでも完璧にできるんだから、一人でも構わないだろう」
そう、完璧な僕は他人を脅かす目障りな存在にしかならず、一人でも構わないのだ。
だから僕は一人で生きてきた。必要最低限の人付き合いはしたが、誰かに心を許すことはなくなった。
君に出会うまでは……。