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2026/5/31_22:43:06

「あなた…何様のつもりなのかしら?子爵令嬢ごときが、エディアルド様に近づいて娼婦の真似でもしてるつもり?婚約者でもないくせに」


 金髪縦ロールでキツイ見た目をしたいかにも悪役令嬢ッ!といった風貌の子が可憐で純朴そうな子に向かって言った。


「も、申し訳ありません!私っそんなつもりじゃ、」


 可憐で純朴そうな少女は、目に涙を浮かべながら謝っていた。


「そのつもりもなく近づいていたのなら貴方は随分自分の世界でものを見ているのでしょうね。貴方は、相当世間知らずの子なのでしょう。それともご両親が教育下手だっただけなのかしら。」


 悪役令嬢のような風貌の子の取り巻き達も皮肉を言って笑っている。


その時、


「レイナ!!どうしたんだ何かあったのか?目が赤くなっているぞ」 


 正義感の強そうな美男子が、レイナを庇うように前に出た。


「あら?エディアルド様。ご機嫌麗しゅうございます。」


「麗しいわけないだろ!!レイナに何をしたんだオリビア!!」


「別に何も手を下しておりませんわ。ねぇレイナ様?」


 オリビアがレイナに笑って問いかける。口だけの笑顔だが。


「っはい…」


泣きそうな顔でレイナは頷くのだった。


△△△△△△△△



 これは、私の未来の姿である。まぁヒロインっぽいレイナという娘でもないし、オリビアという娘でもない。エディアルドという美男子でもない。


 私は、悪役令嬢の取り巻きの中でも2.3番手くらいで嫌味や皮肉を言ってクスクス笑い合ってる娘である。


「いや……いや地味っっつ!!!!なんで…なんで転生?したのに悪役令嬢でもヒロインでもないわけ!?悪役令嬢の取り巻きで2番手なのよ!!しかも立ち絵も黒く塗りつぶされて作画コストを減らされるぐらいの!!ただ悪役令嬢の右側で皮肉やら悪口やらを言ってクスクス笑うとか!地味すぎでしょ!!」


そんな私の叫びも虚しく部屋に響いただけだった。

 


 私が転生?憑依?に気づいたのは1日前のことだった。9歳の誕生日を祝われている最中に前世の記憶を思い出し、脳がキャパオーバーし気絶したのだろう。


 気づいたらベットの上にいて、鏡に映る自分を見てさっきの記憶?を思い出したのだ。


 あの記憶は、私がやってた乙女ゲームの王子攻略ルートだ。王子の婚約者のオリビアが悪役令嬢となって主人公と王子を取り合うゲームだ。


 10対0でヒロインが戦犯だが身分差系の乙女ゲームなんて大体こんなものだろう。


 アクションゲームに飽きかけてた私に、乙女ゲーム好きの母が渡してきたゲームだった。


『AFTER SCHOOL ROMANS』


 通称 アフマン である。

特に乙女ゲームが好きではなかったが、ゲームはやり込むタイプだったので、とにかくやり込んだ。


 まぁ母の持っていた攻略本を見ながらだったが。

 その中でも攻略を進めていく途中でヒロインにちょっとした嫌がらせをするのが私。


 その後の結末は公式ファンブックでしか明かされていないが、ある一人は社会的地位が大きく下がり結婚できなかったり、もうある一人は親から見放されて領地追放…絶縁だったりと意外と重めな罰を追うことになる。


つまり、転生先のこの体、イオリ・クラウジャーである。


 なかなかこのモブの人生が可哀想であったのが転生してわかったことである。


黒塗りだとあまりビジュアルが分からなかったが、この世界で鏡を見るとしっかり顔が映る。


 それなりに長い黒髪に、糸目寄りのつり目。体も幼くて和服が似合いそうな女の子。


おかっぱにして着物を着たら、こけしか日本人形のようになるだろう。


 この西洋風の異世界に、なぜ東洋風または日本風の顔なのか。

 それはこの子のルーツが関係している。

 

 この子の母は、極東の国のお姫様だった。当時仲の悪かった両国だが当時の極東の王がなんとか戦争を避け仲を改善するため、政略結婚させることで仲を取り持とうとした。


 最初は王家や公爵家に嫁がせるつもりだったが、既に婚約者がいたため、侯爵家に嫁がせることとなった。

 そして私、イオリ・クラウジャー侯爵令嬢が生まれたのである。しかし私を生んでまもなく母は死んでしまう。

 その後、私のクラウジャー侯爵は、愛人を後妻に迎え、私に義兄妹ができた。


 義兄妹は、とてもいい人たちだったけど、私のことを気に入らない義母は、使用人を使って嫌がらせしてきた。


 なんでモブなのにそれなりに辛い過去とか酷い扱いになってんだよ。せっかく侯爵家に転生したから楽したかったのにさ。


 使用人は義母が怖くて助けてもくれない、嫌がらせも言われるがままやっているし。


 一人でやるのもいいけど、ほかの家の人に見られたら候爵令嬢としての品格を疑われてしまうし。世話してくれたら楽だろうなぁ。


 何でもいうこと聞いてくれて、イエスマンになってくれる人いないかな…。


 コンコンコン


「イオリ様、候爵様が呼んでおります。」


「わかったわ。」

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