6. 揺らぐ心
本作では、
愛情に飢えている2人の嘆きを
テーマにした、
心痛い、でも、なんだか、暖かくなる
ヒューマンラブストーリー、サスペンスで
お互いの傷跡、嘆き、生い立ちのせいで、
交差する恋愛が描かれている
サクの病院に行ったあと、そのまま、
サクの家に向かう予定だったが、サクの家の前で
足が止まるオト.....
「どした?」
「やっぱり」
「帰る....」
「なんで?」
「ちょっと、休みたい....」
「ごめん.....」
「いいよ....」
「送ってく」
「いや、いい....」
「ゆっくり、休んで....」
「寂しくなったり、苦しくなったら、電話して....」
「わかった.....」と、うつむくサク
そのまま、振り返らず、歩くが、
やはり、サクが、気になって、振り向いてしまう
サクが、ずっとうつむいてる姿に、、
目が潤む、オト........
サクの方に、やはり、戻ってしまう....
「サク....」
「ごめんね.....」
「疲れるのも、無理ないよ.....」
「俺んちで、休む?それか....」
「少し、休んでから、帰る....」
「わかった....」
サクの家に、初めて入る
オトの家より小さく、部屋が横に長く、一部屋....
必要最低限しか、置いてないが、
電車のおもちゃが、飾ってある..........
「ここ座んな.....」
ベットに、腰掛けるオト
サクが、一人用ソファーに、座りながら、
話し出す
「今日はありがと.....」
「うん.....」
「なんもだよ」
「薬飲んで、早く治して.....」
「わかってる.....」
「俺のこと、嫌い?」
「なんで?」
「だって、オト、なんか....」
「いや.....」
「色々あって、疲れが、溜まってるだけ」
「俺のことでしょ.....」
「違うよ」
「だったら、ここに、居ない.....」
「どうしたら、俺は....」
「乗り越えるしかない.....」
「サク、宿命は変えれる.....」
「無理」
「最初から、無理だと思わないで、諦めないこと」
「それが、出来たら、苦労しないよ」
「俺だって、やりたくて、やってるわけじゃない」
「難しいこと言うよ」
「何?」
「あのね、脳から、きてるの、」
「脳が、サクを苦しめてる」
「その名も、記憶」
「つまり.....」
「思い出したくない記憶」
「思い出したくない事は、脳に残り続け、それを
消すために、、」
「楽しいこと、沢山したり、サクは、出来ないよね.....」
「そもそも、誰が、サクに嫌なことした?」
「あいつら....」
「あいつらがサクを苦しめ、根っこを植え付け....」
「サクという木は、大きくなり、枝分かれし、
サクの根本的な根っこに、潜んでる為、中々、
癒えない....」
「それも、長年、水を沢山もらってないから、
枯れたまま、大きくなり......」
「でも、それが、無かったら、今のサクはいない」
「泣きも、しない、甘えん坊な、可愛いサクは
いないと思う」
「でも、私は、そんな、儚く、尊くも、愛らしい、
サクも、全部好き....」
「全部....」
「どんな、サクも....」
その瞬間、サクが、オトの傍に来て、
オトを横に、優しく寝かせ、
オトのおでこに、自分のおでこをふっつけ、
寄り添う
「なしたの?」
「サク」
「いや、」
「本当に、俺のこと思ってくれてるんだな~って
思って」
布団をオトに、優しく、かけるサク
「まだ、寝ないよ....」
「オトって、さ、」
「キスとか、されたこと、あるよね?」
「あるよ、したくなかったけど」
「言ったじゃん、なーんも、楽しくないし、」
「たとえ、かっこよくても、なんかね、」
「嬉しくなかった?」
「うん、、」
「なんでそんなやつと、遊ぶの?」
「うーん、暇だから?」
「でも、好きな人も中には、居たから....」
「でも、振られる前に、振るの.....」
「それは、嫌われるのが、嫌だったから?」
「そうそう......私の中で、恋愛って」
「のめり込みすぎると、傷つくじゃん?」
「だから、50%しか、恋愛しないの、」
「後の50%は、別になにか、カバーできるような、ものを創るの」
「じゃあ、俺は何%?」
「うーん、」
「100」
「いや200以上(笑)」
「え、ほんとかな~」
「じゃあね、宇宙の果てまで」
「もぅ、数字で、言えないくらいの%」
「嬉し(笑)」
オトが、起き上がり、サクを見る
デレデレに照れて、下を向いてる、サクに
優しく、そっと、キスをする
「ちょっと待って」
「ちょっと」
と言いながら、オトを見れないサク
立ち上がり、キッチンへと、向かうオト
「もぅ、一回してよ」と言うサクに、
「しないよー」
と言い、キッチンで、料理するか、迷うオト
布団で、顔を隠してるサク
「サクさぁー」
「やっぱり、家帰るけど、どうする?」
照れて、布団にくるまってる
「もぅ、」
支度をし始めるオト
モゾモゾしてるサク
「サク!」
「なに?」
「頭出して(笑)」
笑い出すサク
「何が、面白いの?(笑)」
亀みたいに、頭を布団から出す
「亀か!(笑)」
ツボに入ってるのか、笑い続けるサク
「もぅ、行くから、もし、なんかあったら、
連絡する事」
「わかった(笑)」
「大丈夫?」
「後で行く(笑)」
「オーケー」
来ると思ったのに、来ないサクに、寂しいなと
感じるオト
そのまま、歩いて帰りながら、音楽を聴く....
突然、手が、肩に来て、
驚いて、
イヤホンを外し、振り返る
サクだ.....
「全然、呼んでも、気づかないからさ」
「送ってくよ」
「いや、いいよ、」
「歩いて、音楽聞きたいの」
「車で、聞けばいいじゃん」
「歩いて行くから、いいの」
「もぅ、なんで、俺の言うこと、聞かないんだよ」
「車、戻してくるから、」
「待ってて」
走って、車を移動するサク
子供の頃何度も、聞いた、大好きな曲が、かかり
始め、その場で、電柱に寄りかかり、
音楽の中に入る.....
目をつぶり、口ずさみ.....
何回も聴く
横に誰かいる気配を感じ、
目を開け、横を向く
サクに片方のイヤホンで、聴かせる
「なにこれ?」
「いい曲だから.....」
その場に、立ちながら、聴き入るサク....
サクが、オトの手を握る
「これ、なんか聞いたことある....」
「有名だからね....」
サクの手を握り返すオト
歩いてる人が、2人を見始め、恥ずかしくなる
2人....
そっと、手を放す、オト
遠くから、人が、見てるのに、気付き、
サクも、少し離れる.......
曲が終わり、
「いい歌でしょ?」と呟く
「風邪ひいてるんだった、帰るか.....」
防寒ツナギを来てるサク
自分の、マフラーをサクに、巻いてあげる
「俺、この曲好き」
「でしょ?」
「いい曲だよね.....」
「俺は、オトの為に産まれてきた.....」
「のかな、」
「って、ふと思った.....」
「.....」
「いや、私が、、」
「いや、俺が、オトを」
「守るために....」
「産まれてきた......」
「のかな、って....」
その言葉に、照れるオト....
「サク、甘いね(笑)」
「甘い(笑)」
そこに、小型犬の2匹の犬を連れた、
近所の人が、通りかかり、
オトが、挨拶する
「こんにちは」
「あら、こんにちは」
犬が、オトの方に、来て、ムギの頭をそっと、
撫でる
「たーちゃんは?」
「タロはね、」
「来ないかな....」
タロは、なにやら、地面の匂いを嗅いでいる
「タロは、ツンデレだからね」
サクが、タロに、話しかける
「タロ」
振り向く、タロ
「はじめまして」
「タロ」
サクに、珍しく興味を抱いたのか、
サクのもとへ、ゆっくり来るタロ
「撫でても、大丈夫かな?」
「いいですよ」
その場に、しゃがみ、優しく、
タロの頭を撫でるサク
嬉しくて、喜ぶタロ
「珍しいね~」
「タロが、男の子に、喜ぶなんて(笑)」
オトも、笑いはじめる
「タロは、女の子が好きなの?」
「そうなんですよ(笑)」
「ツンデレだけど(笑)」
オトの方にも、来るタロ
「めんこいなー」
「めんこい」
「もぅ、行くよ」
「又今度ね」
「ありがとうございます」
と言い、去っていく、、
タロが、何度も、振り返り、サクを見る
「俺、気に入られちゃった(笑)」
「タロに、気に入られるのは、凄く珍しいと思うよ」
「男性が、恐いの、タロは」
「なんで?」
「タロは、捨て犬だったの」
「いや、殺される手前だった」
「なんで?」
「そんなこと」
「タロは、保健所に、連れられ」
「それも、期限があり、殺される手前だった.....」
「うん....」
「偶然、その話を聞いた飼い主が、」
「タロを迎え入れることに、決めたの」
「つまり、」
「タロは、保健所の前に、置いてかれたの....」
「...........」
「だけど、タロは、優しい飼い主さんに、もらわれて、幸せだよ」
「かわいいしょ、タロ....」
「うん」
「とっても」
「又、タロに、会いたいな」
と言いながら、立ち上がるサク
「もぅ、行こ」
「オト、俺、風邪引きさん」
「あ!そうだった」
オトも、立ち上がり、サクの、ツナギの、
ベルトループを掴みながら、歩く.....
「ちょっと待って」
「なんだよ」
「車で行こ」
「はぁ!?」
「私が、運転するから、待ってて」
「やっぱり、寒いし、サクが心配」
「ペーパーだけど」
「いや、恐いって」
「いや、待ってて」
走って行ってしまう、オト
数分が、立ち、ゆっくり、車で、走ってくるオト
「乗って!」
「風邪ひいてるん、だから、」
オトの言葉に、従うサク
助手席に、座り、不安になるサク
「よし、行くよー」
「いや、ゆっくり行って」
「危ないから(笑)」
家を通り過ぎるオトに、
「通りすぎてるよ(笑)」
「いや、ちょっと、行きたいとこあってさ」
「はぁ?」
「寝てな」
「寝れないって」
「流石に」
「俺が、連れてくって」
「いや、神経張るから」
「大丈夫」
そのまま、走ること数十分.....
ファストフード店に着く
お店の人が、訪ねる
「はい、ご注文どうぞ」
「ハンバーガーセットお願いします」
「単品でチキンナゲット、サラダ、アイスクリーム」
「アイスクリームは、先に、下さい」
「サイドメニューはポテト」
「ジュースは、白ぶどう」
「ソフトクリームのお味は、どうなさいますか?」
「バニラで、」
頼んでるオトを見るサク
「サクは?」
「俺も、同じでいい」
サクが、会計をし、駐車場で、食べまくる2人
「いや、いくら、ジャンクフードでも、」
「食べちゃうよね?」
サクが、ムシャムシャ食べながら、話し出す
「確かにね」
「いくら、身体に悪くてもね(笑)」
オトが、さっき2人で、聞いた曲をケータイから、車の音楽機器に繋げる......
音楽が、流れ始め、
オトが、少し、踊り始める
サクが、踊ってるオトを見ながら、笑いはじめ、
嬉しくなる、オト
「こうやって、踊るの、出来る?」
「俺、踊れないよ(笑)」
「いや、完璧じゃなくて、いいから、」
「自己流で」
「じゃあ、オトが、お手本見せて!」
「きちんと、やるんだよ(笑)」
「いいよ(笑)」
「むしろ、得意」
「特徴掴めばできるよ」
「ちょっとやってみて(笑)」
誰もいないのを確認するオトに、笑うサク
「なんの歌?」
「何でもいいよ」
車のドアを開け、音楽を流す
「一番だけね」
「うん(笑)」
面白すぎて、笑いが止まらないサク
運転席に、戻って来たオトに、
「確かに、特徴は、掴んでる」
「だけど、ウケる(笑)」
「そうだよ」
「サクを笑わすために、してるんだから(笑)」
「本気で、やったら、ウケないしょ(笑)」
「そうだけどさ、」
「ちゃんと、考えて、偉いね(笑)」
再び、食べまくる2人
「あのね、」
「なしたの?」
「眠くなってきた....」
「帰るか....」
「うん」
「会ったばっかりなのにね、」
「俺ら」
「気づいたら、めっちゃ、濃い日々を送ってた」
「うん(笑)」
「意味わからないことも、起こりえるのが、人生よ(笑)」
「人生、山あり、谷ありって、言うじゃない?」
「うん....」
「サクは、素直だな~」
「そう簡単に、素直に、受け取れないんだよ」
「普通は....」
「前に同じこと伝えた人が居てね」
「俺は信じない~とか、哲学的な話をしても、」
「スルーよ、」
「どんだけ、この話に限らず、助言しても、わかってくれなかった」
「まぁ、わかって貰おうとしてたのが、間違いだったのだけど.......」
「うん」と、眠そうに、聞くサク
サクの頭を撫でるオト
「サクは、すごーく」
「ものすごーく」
「うん....」
「いいこだよ」
「子供じゃない....」
「もぅ、俺は、男....」
「強くて、たくましく、モテモテな、カウボーイさ」
その言葉に、吹いてしまう、オト
「カウボーイね(笑)」
「知ってたんだ....」
「私がやってる、ゲーム」
「うん(笑)」
「動画見るときに、こんなのやってんのー?みたいな(笑)」
「カウボーイに、憧れた女」
「どう?」
「ロマンチックだね(笑)」
「いや、ゲームの中で、出てくんの」
「今度、やってみる?」
「てか、やる?」
「帰ってから」
「だから、俺は、眠たいの」
「じゃあ、送ったら、帰るのね?」
わざとらしく、寝たふりをする、サクに、
「きちんと、しないと、怒るわよ」
「ねぇ、あなた」
「あなた、起きて!」
ニヤニヤする、サク
「ちょっと、私は、今、酒場で、働いてるのよ」
何を言っても、無駄なので、近くに、ある
スーパーに、向かうオト
起きて、走ってくる、サク
「オト、眠い」
歩いてる、オトに、ベタベタするサク
「やめて...」
「みんな、見るよ」
「だって、眠たいんだもん」
「じゃあ、この、お子さま用の車乗るか、自分の車に戻るかにして」
「乗るわけないじゃん(笑)」
笑い出す2人
サクがオトに、寄り添い、幸せそうな、
笑みを浮かべ、オトが、野菜を取るように、
合図する......
ありふれたことだけど、サクにとっても、
オトにとっても、お互いを必要と、し合ってる......
「サク!」
「そっちじゃない(笑)」
「こっち」
「そう、そう!」
サクが、走って、オトの方に、向かってくる
再び2人だけの、ストーリーが始まる........




