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3.見せたくなかったもの

本作では、

愛情に飢えている2人の嘆きを

テーマにした、

心痛い、でも、なんだか、暖かくなる

ヒューマンラブストーリー、サスペンスで

お互いの傷跡、嘆き、生い立ちのせいで、

交差する恋愛が描かれている


小さな部屋に、1人でうずくまって、

寝ている、4歳の男の子......


そこに、荒々しい雰囲気の男性が、

部屋に、足音を大きく立てて、

中に入ってくる.....


「サク!!」

「起きろ!!」


サクが寝ているベットに近づき、

布団をめくる


「お前又、してる」


サクは不安や恐怖から

度々、オネショをしてしまっていた.......


この年頃なら、まだ母親と一緒に寝ていても

おかしくない.....

でも、それは叶わなかった......


サクが起きて、

恐怖のあまり、泣いてしまう

雑巾をサクに投げて、


「これで、早く拭け!」

と、怒鳴り散らす


「聞こえないのか!」

「本当、頭の悪いガキだな」


サクが、泣きながら、

雑巾で、シーツを拭く


「リョウくん....」

「ごめんなさい.....」

「ごめんなさい......」


何度も謝り続けながら、

ひたすら、拭きつづける


「それ、終わったら」

「朝飯な」

「早くしろよ」


「うん....」


その瞬間、サクの顔に、手が飛んでくる


「はい、だろうが!!」

「いつから、父親になったんだ?」

「だから、ガキの世話は」

「面倒なんだよ!!」


再び、泣きだすサク


母親の彼氏(リョウ)は、

サクが2才半くらいの時に来たという

母親が仕事で、留守の間に

サクの子守りをしていた......



足が震えるサク......

ベットから、下りて、恐る恐る

リビングに向かう.....


「終わったか?」


「はい.....」


「次何すんだっけ?」


小さい声で、恐る恐る

呟く.....


「ご飯....」


「そうだ.....」

「やれ」


「はい......」


対面キッチンに座り

ずっと、サクを監視する

リョウ


恐怖で怯えながら、

キッチンの側にある、椅子に座る

サク.....

向かい側には、リョウがサクを見ている


いつ怒りだすかわからない、恐怖で、

シリアルを少し、こぼしてしまう

牛乳を上手に注ごうと、思えば思うほど

余計に、緊張し、手が震えてしまう


「あっ.....」


こぼしてしまったサク


「何やってんの?」

「これで、拭け!」


と言い、サクの顔にタオルを投げつける


再び泣き出すサク.......


「だから、泣くな!って」

「何回も、言ってんだろうが!!」


サクの髪の毛を掴み、


「泣くな!」

「男だろ!!」


更に恐怖で、嗚咽して、

泣き出すサク.....


リョウがサクを蹴り飛ばし、

その反動で、冷蔵庫の方へと

椅子から、崩れ落ちたサク.......


頭を打ち、痛みと恐怖のあまり、

大泣きする


「ごめんなさい......」

「ごめんなさい......」


何度も言いながら、後退りするサク


サクの胸ぐらを掴み、

持ち上げ、床に叩き落とす


パニックになりそうに、なり

その場で、失禁してしまう.......


フライパンで、サクの頭を叩こうとした

その時....


母さんが、帰ってきた.....


「リョウちゃん、ただいま」

「サク.....」

「ねぇ、どしたの?」


母さんのところに、駆け寄りたいが、

体が固まって動かない.......


「こいつが、又悪いことして」

「しつけしてた....」


「ちょっと、やりすぎよ!」

「失禁してるじゃない....」


「なんだ!」

「ガキの世話は俺に任せてんのに」

「お前は遊んでたんだろ!!」


母さんの上に、馬乗りになり

手を上げようとする


その瞬間、守ろうと必死に

母さんに、覆い被さったサク


「おまえは、邪魔だ!!」

とサクを突き飛ばす


「ちょっと、やめて!」

「サクの前で止めて!」


「ふっ、親子ごっこか....」

「わかった」

「夜メタメタにしてやるからな」

と言い、母さんのおでこを指で押す



走って、ベットに戻り、

布団の中で、電車のおもちゃを

手で、走らすサク......


「ゴトンゴトン....」

「ゴトンゴトン....」

と小さく言いながら......


そこに、母さんが入って来た


「サク...」


急いで、母さんの元へ向かう


「身体洗おうね」


サクを抱っこして、風呂場に向かい、

サクの身体中に、痣があることに、気づく


「サク」

「これ、どうしたの?」


うつむくサク......


「リョウくん....」と、小さく呟く


その瞬間、涙ながらに、

サクを抱き締めた


「ごめんね」

「母さん、気づいてやれなかった.....」


首を横に振りながら、

「僕が、悪いんだ....」

「母さんは、悪くない....」


「サク.....」


風呂から上がり、

サクに服を着させて上げようと、

タンスの中身を見るが、

どれも、小さい......


これなら、今のサクも着れる


「サク、これ着れるかな?」


甘えたい、サクは

「着れない...」とかわいい嘘をつく.......


着させてくれる、母さん.....

こんなに、優しい母さんは久しぶりだった.......


服を着せるが、やはり小さい.....

母さんが、新しいの買おうねと、微笑む


「母さん....」


「どしたの?」

「体調悪いの?」


サクのおでこに、手を当てる......

熱い.........


「ちょっと、待ってて」


「うん.....」


すると、リョウが部屋に入ってくる


「どした?」


「サク、熱ある」


「買ってくるか」

「薬と食べ物」


「あと、サクの服も」


「あぁ....」


サクの目の前に来て、さっきより、

優しく、話すリョウ


「買ってくるから」

「待ってろ」


「一緒がいい」と母さんの後ろに隠れるサク


「だめだ」

「すぐ帰ってくる」


母さんから、離れたくないサクは

グズリだす


「サク」

「待ってて」

「サクの好きなやつ、買ってくるから」


「電車?」


「電車のパジャマ」


「でも一緒がいい......」


どうしても、一緒に行きたいのと、甘えたいのが

抑えきれず、泣き出す


母さんとリョウが、玄関前に向かい、

泣きながら、追いかけるサク.........


母さんがサクを見る


「もぅ、行くぞ」


「早く帰ってくるからね」

と言い、そのまま

ドアが閉まった........


その瞬間、、

大泣きするサク


部屋中に、サクの泣き声が響き渡る

身体の変な感覚と、不安と寂しさが、

サクを強く締め付ける.......


玄関前で、ずっと待ってたが、帰ってこない........

泣きつかれて、ベッドに向かう........


数時間後....

起きても、帰っては居なかった.......


再び泣きはじめるサク.......

真っ暗な部屋、身体の変な感じ、寂しさ、恐怖.......


「母さん.....」

何度も叫んだ........

だけど、届かなかった........


もう一度玄関前に行く........

ずっと、見ていた.........

気がつくと、早朝になっていた........

帰ってこない........


サクは諦めて、ベッドに横たわった.......

泣きながら、又眠りについた.........


結局、帰ってきたのは、

次の日の昼頃だった.........


オトの声が聞こえる............


「サク!」


深い水の中、息が出来なくなり

もがきながら、ようやく這い上がる.....


「サク!」

「どしたの?」


ゆっくり、目をあけると、

心配した顔をした、オトが居た


「酷くうなされてたよ....」


「はぁ...はぁ...はぁ...」

「昔のトラウマの夢だったんだ....」

「それも、鮮明に......」


サクはオトに

このトラウマの話を話した.....


「そっか....そっか....」

「大丈夫....」

「大丈夫....」


「オト....」


「どうかした?」


「本当に...」

「ごめん....」


「どうしたの?」


「いや、」

「笑わない?」


今にも、泣き出しそうな目で、

オトに問う.....


「笑わない....」


「絶対?」


「うん」


「見て....」

「これ....」

「ハァー」と、

深いためいきをつき、

サクが自分で、布団をめくる.......


シーツが濡れてることに、気づいた.....


「ごめん、しちゃった....」


「小さい頃から、続いてる感じ?」


「うん...」

「夢にうなされたり、病んでるときとか....」


「大丈夫」


サクが、横に丸まったまま

布団を被り、声を押し殺し

泣いてるのが、聞こえる.......


「サク.....」

「買い物してくる」

「サク、下着ないでしょ....」

「サク.....」


どう、慰めればいいのか、わからなかった........

だけど、辛いのはわかる.......


「サクの好きなものなに?」


「オトの作ったもの」


「じゃあ、フルーツは?」


「イチゴ」


「オーケー」

「行ってくる」


「オト.....」


「なに?」


「絶対、早く帰って来てね....」


「すぐ、そこだから」

「ほら、窓からでも見えるよ」

「見る?」


首を横に振るサク


「じゃあ、行ってくる......」


「気をつけて.......」


オトが出ていった後、

泣きながら、

自分で自分の太ももを強く、叩くサク......


クローゼットの前に、

体育座りをし、身体を丸めて

小さく泣く.........


知られたくないものを

知られて、ショックなサク

泣きながら、ベッドのシーツを拭き、

幼少期を思い出しながら、拭き続けた.....


「オト......」

「オト帰って来る....」

「絶対、帰って来る....」


玄関の前に行き、

ウロウロしだす.....


その場で、立ち尽くし

その場で、座り待つ


足音が、聞こえ、

やっと、帰って来た.....


「サク....」

「待ってたの?」


小さく、うなずくサク.....


「オト....」

「抱っこ....」


「抱っこはできないよ....」

「サクのほうが、大きいでしょう?」

「180cm近いし、体重もある」


うつむくサク......


「じゃあ、ハグは?」

「ハグしてあげる」

「それで、いい?」


小さくコクリとするサク......


オトが座っている、サクを力一杯抱き締めた....


「泣いてたんでしょ」

「サク......」

「ごめんごめん....」

「サクの好きなの買ってきたよ.....」


「もう一回.....」

と、呟くサク......


「おいで」と手を広げるオト


幼い子供のように、オトにそっと来るサク

背中を撫でながら、

「大丈夫、大丈夫」

と、優しくサクを包み込む......


落ち着いた様子になったので、

一旦、リビングに向かう


「サク」

「こっちきて~」


ゆっくり、歩き

オトの横に座るサク


「サク」

「まつげ長い!」


「うん...」


「サクかわいい!」


「可愛くはない...」


「可愛いんだよ!」と言い

サクにイチゴを手渡す


「あとね、その目!」


「可愛くはない....」

「オトのほうが....」


「聞いてませ~ん!!」


笑いだすサクに、安堵するオト.......


「オト、ありがと....」


急に言われた言葉に、照れるオト

さっきまで、グズグズだったサクが

嘘のように感じるくらい、ニコニコしてる.....

自分が、必要とされてることが、嬉しく感じた

瞬間だった.....










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