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第17話:なっとらん

第17話 なっとらん


戦場の端は、いつもと変わらなかった。


剣戟の音が遠くで続き、

怒号と金属音が、風に混じって流れてくる。


主人公は、机の向こうに立っていた。

湯は沸いている。

椅子は四つ、ばらばらの向きのまま置かれている。


ノクスは、しばらく何も言わずに眺めていた。


椅子。

机。

立つ位置。


一つずつ、目で確かめる。


「……なっとらん」


低く、短く、そう言った。


ノクスは机に近づく。

だが、すぐには触れない。

角を確かめ、脚元を見る。


「机が邪魔じゃな」


それ以上は言わない。


主人公は何も返さない。

椅子の一つを、ほんの少しだけ動かす。


ノクスは、その動きを見て、

一度だけ、鼻を鳴らした。


道具袋を下ろす。

中身を出すが、まだ使わない。


「急ぐ話でもない」


そう言って、腰を伸ばす。

机に手を置いたまま、動かない。


主人公は立ったまま、

湯の残りを確かめ、

そのまま、何も変えずにいる。


戦場の音は続いている。


机と椅子の間に、

ノクスは、まだ立っていた。

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