ブランコピリーの魔力
ティニカクヤセ隊の隊員たちにとって、「ブランコピリー」はまさに特別な場所だった。ここは、ただのサラダバーがあるレストランではない。ハンバーグが絶品で、豊富な野菜とともに提供される食事は、どれもこれも美味しくて、心も体もリフレッシュできるスポット。しかも、店内の温かな雰囲気や、ふかふかの椅子が心地よく、食後のひとときには隊員たちが集まり、リラックスして過ごす場所として、必ず訪れる場所となっていた。
くりいむ子は、いつものように元気よく店に足を踏み入れた。彼女の表情には、ハンバーグに対する期待が満ちている。
「うむ、今日はサラダにハンバーグを乗せるとしよう。きっと、完璧なコンボになるはずだ。」隊長の茶団子丸は、メニューを見ながらわくわくしていた。
「いやぁ、ここのハンバーグ、本当に美味しいんだよね!なんだか、癒されるんだよね。あの塩をつけて!」くりいむ子がニコニコしながら言うと、茶団子丸もにっこりと微笑む。
食事が運ばれ、隊員たちは美味しい料理に舌鼓を打っていた。だが、ここには一つ、隊員たちを悩ませる不可思議な現象があった。それは、食べ過ぎによって引き起こされる「後悔」だ。
「今日は食べすぎないように気をつけないと……」くりいむ子は自分に言い聞かせるように呟いた。「ここに来ると、ついつい食べ過ぎちゃうから。」
「確かに。でも、今日はちょっとお腹を満たしておきたい気分だ。」茶団子丸は、サラダバーのコーナーに向かいながら、笑って言った。
ブランコピリーでは、どうしても無意識に食べすぎてしまうことがよくあった。ブランコピリーの魔力が強すぎるのだ。というのも、サラダやハンバーグが美味しすぎるせいで、いつの間にか気づかないうちにお皿が空になってしまう。
「わっと、やっぱり食べ過ぎてきた……」くりいむ子が苦笑しながら言った。彼女は少し反省しつつも、まだまだ食べる気満々だった。
しばらくして、食事が一段落した後、くりいむ子はトイレに向かうことにした。食べすぎのせいで、少しお腹が重く感じていたからだ。
「うーん、ちょっとお腹が張ってるわ……」彼女はトイレに入り、少し深呼吸をしてから、落ち着いて座った。
だが、運命の瞬間が訪れた。勢い余って、くりいむ子の体は予想以上に急激な動きを見せたのだ。
「うわっ!」くりいむ子は、勢いよく排便を開始した瞬間、その凄まじい力でトイレのタンクの水が揺れるのを感じた。それも、ただの揺れではなかった。まるで、何か強力な力がその水面に波紋を引き起こしたかのように、静かに大きく震えたのだ。
「え、ええっ!?なにこれ…こんなこと初めて…」彼女は驚愕した。
くりいむ子は不思議そうに席に戻り茶団子丸に詳細を話した。
復活の兆し
そのトイレタンクの水の揺れがトリガーとなり引き起こしたのは、想像を超える出来事だった。なんと、その振動がゾウ神を深い眠りから目覚めさせてしまったのだ。
遠くから、低く、重い声が聞こえた。その声は、まるで巨大な生物が目を覚ましたかのように響き渡った。そして、その瞬間、ブランコピリーの店内に異変が起こり始めた。
店内の温度が一気に上昇し、甘い香りが強く漂い始めた。店内のスタッフが慌てて、外に出て行くと、まるで空気が密閉されているかのような圧迫感が襲ってきた。
「これは……ゾウ神の復活?」くりいむ子はその異変を感じ取って、目を見開いた。
「まさか……その水の揺れが、ゾウ神を呼び覚ましたのか?」茶団子丸は驚愕の表情で言った。周囲を見渡すと、確かに異常なことが起こっている。店内のあちこちに甘い香りが立ち込め、無意識に食べたくなってくる。まるで、ゾウ神の力が、皆のタベタイ欲求を呼び覚ますかのように。