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42話


【ポロロッカ】前世でインチキ宗教の教祖だった。神様を楽しませればその罪が償えるということで転生した。妄想癖が酷く、何かあればすぐに黙り込む。体を帯びる強力な魔力と鋭い目つきのせいで無意識のうちに周囲を威嚇している。頭のネジが飛んでいるので喧嘩を売られれば必要以上に買ってしまう。


好きなもの:女性、食事、睡眠、金。嫌いなもの:面倒な事、辛い事。怖いもの:神。


特殊魔法「ネゴシエーション」:言葉や文字に力を持たせる魔法。


 


 僕はひとり王都の昼の街中を歩いていく。


 心配だったポロロッカさんが目を覚ましてくれたのは安心した。だけどかなり体調が悪そうで、朝から水以外何も口にしていない。


 美味しいものが大好きで毎日少なくとも3食は食べるポロロッカさんだから、相当きついのだと思う。


 僕自身も土魔法の使い過ぎで同じ症状になったことはあるけれど、他の人がなっているのは初めて見たかもしれない。


 冒険者ギルドで崩れ落ちていった時の姿を思い返してみれば、やはり魔法というものは調子に乗って使いすぎてはいけないのだと思う。もし敵がいる時に意識を失ってしまえばそこで終わりだ。


 僕がいまギルドへ向かっているのはさっき届けられた手紙を見たからだ。そこにはギルド所属の冒険者クワバラに対する暴行に対しての罰則を通知する、と書いてあった。


 これは詳しい話を聞かなくてはいけない。僕が見た限りでは最初に手を出してきたのは相手の方だ。


 そうしているうちに冒険者ギルドに到着した。昨日は輝いているように見えた大きくて立派な建物だけど、今はなぜかそんな風には思えないのはどうしてなんだろう。


 分からないまま僕は扉を開いて中に入る。そこは簡単な飲食が出来る場所でたくさんのテーブルといすが置いてあって、そこで冒険者と依頼人が話をできるようになっている。


 思い出す。


 昨日ここでとんでもないことが起きたのだった。帰ろうとしたら背後から押されたポロロッカさんが飛んでいって壁に激突した時には驚いた。


 顔から思い切り激突していたから、普通の人だったらあれで病院に担ぎ込まれるか、あるいは死んでいてもおかしくはないと思う。それくらい凄い音がした。それなのに怒ったポロロッカさんは身体強化を使って飛ぶように相手に殴りかかった。


 移動速度の速さにも驚いたけど、Sランク冒険者相手に殴りかかりに行くという事にも驚いた。


 僕が知る限り冒険者と言うのはCランクが魔力を持たない人間の限界と言われているはずで、最高位のSランクなんて僕には想像もできないくらいの領域で、何があっても逆らう事なんかできないだろう。


 いつの間にか手に入れたばかりの魔武器「雷王を」をはめたポロロッカさんがものすごい勢いで殴り続けていった。


 その度に拳から強い光が発していた。


 一発一発が大木が倒れた時のような轟音が鳴る、信じられないほどの威力のパンチ。まるで太鼓みたいに僕の体の中にも音が鳴った。


 これが魔武器、これが「雷王」なんだ。


 それなのにあのクワバラというSランク冒険者はその全てを真っ直ぐに立ったまま正面から受け続けて、もっと打てもっと打てと叫んでいた。


 打撃を凌駕する身体強化の強さ。大木でもなぎ倒せそうな威力を受け続けられるのは体内に満たした魔力が体を守るから。


 身体強化と言うのは、一番簡単に使うことのできる魔法だと聞いたことがある。それでも極めればこんなことが出来る。やっぱり魔法はすごい。


 ポロロッカさんも野獣のような声をあげながら一心不乱に殴り続けていた。初めて見るポロロッカさんの本気。僕は体が痺れたようになって、ただ見ることしかできなかった。


 あれは本当にすごい光景だった。


 今、ギルドの中は、何も無かったかのように談笑する人たちでほとんど満席になっている。


 僕は一度深呼吸してから受付へと向かった。


「ようこそいらっしゃいました。それではさっそく1,100万ゴールドお支払いください」


 僕と目があった受付のウサギ耳お姉さんは笑顔でそう言った。





最後まで読んでいただきありがとうございました。


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