表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔法使いさんと少年くん。

作者: 白月花





これは、

日々退屈していた魔法使いさんと、ある少年のお話。




「やぁ、はじめまして」

「……」

「静かで綺麗な良い場所だね。私は魔法使い・レーナ。よろしくね」

「…...」


なんてことのない、普通の日。

魔法使い・レーナだと名乗るその人は、不思議な雰囲気で笑っていた。


……それも、誰も立ち入ることができないはずの、王子の宮殿(監禁場所)で。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



私はレーナ。

そこそこの魔法使いさっ(笑)

()()()()の魔法使いっていうのは、あれだよ? ちょこちょこ姿を変えてるから、有名にならないってだけなんだよ? 本当は、本気を出せば、結構すごいんだからね?



で、現在旅をしているのだけれど、なんか絶対に入れない王子の宮殿があるって聞いてさ? ほら、試したくなっちゃって。ふふ、まぁ、王宮なんてそう入れないのが当たり前なんだけど。ちょっとここは他とは違うっぽいんだよねぇ。


まぁ、捕まってもどうにかなるだろ☆って感じだったんだけど……


「君以外誰もいないの? あーいや、……いないのですか、王子殿下っ?」

「……」


うーん、なんも喋らないなぁ。

せっかく話しかけたのに。

まぁ、私は不審者だし、仕方ないのだろうけど...…

どうしようかなぁ

普通に入れちゃったしなぁ。

つまんないし、やっぱもう違うところに行こうかなぁ...…


「……どうやって入ってきたんだ」


あっ、喋れるのね。第一声が『どうやって入ってきたんだ』……うん、別におかしくないか。


「どうやってと言われましても..….魔法を使って、『えいっ』て」

「……」


うぉう、疑ってるなー? これは。

まぁでも、適当だからなぁ、わたし。うん。自分でもそう思うくらい。



「信じていませんねぇ……そうだ!」


パチン


と、指で音を鳴らせばこの通り!


「!?」

「……はい、呪いとーけた!」


ふふ、今のなかなかイケてたんじゃない? カッコよくなかった今の!?

なんたって私はそこそこすごい魔法使いだからね、ちょっと見たり魔法使ったりしただけで、呪いのときかたとか、分かっちゃうのだ。ふふん、すごいでしょ?


「……うそだ、そんな簡単に…….第一、呪いの効果さえ知れるはずが……」

「なんか、監禁系の呪いでしたね、そんな覚えてないですけど」

「覚えてないって……今解除した呪いのことだろう」

「まぁまぁ、とりあえずここから出ましょうよ」

「……一応王子なんだが?」

「そうですか。じゃあ、私はこれで」

「え」

「もともと絶対に入れないのが気になっただけですし。簡単に入れましたし。呪いもとけたんだから、大丈夫でしょう? 上手くやってくださいね」


私はひらひらと手を振る。


「….まて、ほんとに呪いは解けたんだな?」

「解けてますが?」

「…...」



この子これからどうするんだろう?


この子はフレメリン王国第1王子フィルミルン様。

側妃様の子なので、王妃様に嫌われ、こんな場所に監禁されていたらしい。この子の母親は亡くなってしまわれたので、味方がいない状況。国王も無視。さらに運が悪いことに、王妃様達が、強力な呪いをかけることができた。そのせいでこの子は今までこんな生活を……


強力な呪いをかけられているので、騎士たちが見回ることはほとんどない。王妃にとっては暗殺者は大賛成だし。おっかない。呪いの効果が、この宮殿から離れるごとに痛みが強くなるものだから、逃げることもできなかったのだ。かわいそうに。王妃はひでぇやつだ。


「呪いがこわいのなら、痛みを感じるまで出てみてはいかがでしょう?」

「……呪いの効果、知ってるじゃないか」


まぁね。


それから王子は歩き出した。

びくびくして、ゆっくりちょっとずつ歩いていた王子だったが……


「……痛く、ない……?」

「当然です! 私が解呪したのですから」


ついでに回復魔法とかもかけておいたから、今非常に調子がいいはずだ。ちなみに私、魔法だけじゃなく、他のこともまあまあできるのだ。もちろん解呪も。剣術とかもできるよ? なんたって私はそこそこの魔法使(以下略)



……さて、これで呪いが解けたことはわかったかな。この少年は、これからどうするのだろう。行く当てあるのかな。なければ一緒に旅をすることに……? 私が助け出しちゃったし? まぁ、こっぴどく振られる可能性あるけど。



「それで、これからどうするのですか? 王子殿下」

「……にげ、ようと思う」

「なら一緒に来ます?」

「……いいのか?」

「はい、どちらでも。助けたのは私ですし」

「なら、よろしく」

「はいはいー」

「……(軽すぎないか……? この人。大丈夫だろうか……)」


 嫌がられたらどうしようかと思った。さすがの私もちょっと傷つく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「いいかい? まずは1人で生きていけるように私が魔法を教える。なに、君はちゃんと魔法の才能があるから、なんとかなるよ。……あ、お師匠様と呼んでもいいんだよ? 憧れてたんだよねぇ」

「……レーナ様、で」

「うん、それもいいね!」



そうして私はフィンミルン様……フィン君に色々教えることになった。長く生きてきたのに、弟子がいなかったから、なんだか初めてで、楽しい。

魔法の使い方、魔物の倒し方、冒険者ギルド、薬草に剣術。

まんべんなく教えていく、つもりだった。


「いたぞ!」

「おまえがフィンミルン様を連れ去ったのだな!? フィンミルン様こちらです、もう大丈夫ですから」

「っ...…!」


姿は変えた。2人とも。バレないはずだったのに。



「こんにちは、あなたがレーナ、ね」

「王妃様...…」

「私を侮られちゃあ、困るわ。あなた達くらい、すぐ見つけられちゃうの、……呪いをどうやって解いたのかは気になるけど……」

「う……」


予想はしてた。あの呪いをあつかう王妃様だ。フィン君は...…

……というか、王妃様ってこんなにのこのこ現れるものなのかな……あと、一々言い方が嫌だなぁ。なんか、癪に触る。なんでだろ。


「.…..おう、ひさま」

「私のフィンミルン、あぁ、可哀想に。帰りましょう? 大丈夫よ、もう心配いらないから」


……よくまわる口である。


「……レーナ様をどうするおつもりですか」

「ふふっあはは! 分かってるくせに!」


そう言った途端、炎が私を襲う。気づいたらフィン君は衛兵に保護(確保)されている。.…..またフィンくんをあの地に戻すわけにはいかない。もっと酷い環境になるかもしれないし…...それに、私か助けるって、守るって決めた、()()弟子だから。



「っ..….レーナ様!」

「...…大丈夫よ」


私は迫ってくる炎を打ち消す。


その隙にフィン君を助け出して……


逃げてきた。思いっきり!! 笑

本気を出せばあんな敵、どうってことないのだ。

……うそだけど。ちょっと、いや結構やばかったが。


こうして、私はこの王子との旅が始まった。

普通なら逃亡生活になるところだが、そこはまぁ、魔法でちょちょいっとね。本気を出せば倒せる。よゆーよゆー。本気を出すと魔力の消費が激しくて困るんだけど何とかなった。



「……バレてたくせに、どうやったんだ」

「……ふふっ」

「ん?」

「まだ内緒~!」

「はぁ?」




ーーーあるところに、

とても仲の良い旅人2人組がいたとさ。

その旅人たちは、

ドラゴンを倒しただとか、魔王にあったことがあるだとか、伝説の2人組なんて言われている。…とかなんとか。


そして、ひとつの国が、その影響により滅んだとか。

まぁ、国のトップが変わっただけだし、元々不満は強かったので、みなが手伝ってくれたそうな。


「.…..次はどこへ行くんだ?」

「そうだねぇ..….」


私は、今日も旅をする。

この少年とともに。


「ん〜、じゃあ! 東の国に行こう!珍しいものが沢山あるんだって!」

「分かった。……行ったことなかったのか」

「君は? なんかないの?」

「……一緒に旅が出来ればそれでいい」

「おやおやまぁまぁ、」

「そのにんまり顔やめろ」

「ごめーんごめん」


あれだけ退屈で、なにかないかとなんとなく始めた旅だった。それが、こんなに楽しくなるなんて。



「行こうか!」



まだまだ2人の旅は続く。



読んでくださりありがとうございました!

それだけでもう本当にうれしいです! もしよろしければ下記評価欄をぽちっと押してくださるとさらにうれしいです! まだまだ初めてでわからないことだらけですのでご感想などお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ