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トゥー・ハーツ  作者: ホー・ノア
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01. 喪失

クローンの俺は

ヒューのユキに告白することにしたのだが…


『好きだ』


その一言が

どれだけ大切で

どれだけ残酷か。


ヒューンのユキは

クローンの俺とは付き合ってはいけない。

その縛りがあるせいか、

ただただ、興味が無いだけか、


レオは、俺自身は、

たった今、フラれたばかりである。

「好きだ」「ごめんなさい」セットは

いつも安売りしてて、いつも売れている。

そんな気がする。


走り去る彼女の姿は美しいものだ。

きっと俺の心が映し出した幻影だろうが、

こうもさっぱり断られると気分がいいものだ。


モノシティの予報は晴れだったはずなのに、

雨が冷たく降っている。

車の往来がいつもより多く感じる。


どこにも寄るところがないから、

帰ろうか…と足を踏み出した時、


ピロローン!

と、携帯が鳴り響いた。


その通知による淡い期待というのは

本当に淡く消えていくものである。


もしかして、フラれたことにしといて実は

恥ずかしくてスマホから返信するパターンか?

と考えた俺がバカなのだ。


『モノシティで、クローンとヒューンの交際が新たに発覚した事件で…』

……うん、ニュースでしたか。。


皮肉だ。こんな時に限って。。

俺がクローンじゃなかったら…


電光掲示板も同じニュースを流している。

『その事件により、

ヒューンの不知火サクが連行されました。』


共存するための交際禁止とは

何の意味があるのだろ…え?


あ、え?


お母さん!???


今朝、夕飯を何にするかと

聞いてきた女性が掲示板に写っている。

人々はそのニュースなどどうでもいいように

下を向いて流れを作っている。

そこで突っ立っている俺は邪魔だろう。


しかし、


『お母さん!?』

思わず俺は叫んでいた。


捕まったことも驚きだが、

それよりも掲示板にある言葉だ。


『ヒューンの不知火サク』


俺らクローンは、クローン同士の親から生まれる。

片方のどちらかの能力を持って生まれるか、

両親を能力を併せ持って生まれる。


つまり、この国が

ヒューンとクローンの交際を否定している時に

ヒューンの母親からクローンは生まれないのだ。


電光掲示板に

もの悲しげな母の姿が映し出された。


『お母さん!!!!!』


家に向かって思わず走り出した。

なぜ?嘘でしょ?何かの間違いだよ。

家に帰ったらきっと

俺が答えたハンバーグがあるんだ。

冷えた雨に暖かい家があるんだ。


「いたっ!気をつけろボーズ!」

「おい前見て走れよ」


そんな言葉はどうだっていい。

先程、好きな人を失ったばかりなのに

さらに失うなんて嫌だ。


……

…………


家の前に着くと、

パトカーが何台も止まっていた。

父親が対応している。


これは現実なのか。


父親がこちらを見た。

何か言っている。が分からない。


もうどうだっていい。

好きな人を2人も失くすなんて

生きている価値なんか無い。


父親が何かケーサツに言って

こちらに来てる。

はあ、さらに現実を突きつけられるのか。

もう、うんざりだよ。。


『レオ…お前は逃げろ…』


お父さん?


それだけ言い残して、

ケーサツの方に戻って行った。


何だったんだろう、、

一体、どういう意味だっ……


レオはさらに意識を失った。


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