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ユアンの減俸
「リー様、リー様」
と耳元でささやく声が聞こえる。
頭が重い。
ファンリーは昨晩は普段飲まない量を飲み昼く近くまで寝台に横たわっていた。
「リー様、起きて」
冷や汗をかき一気に目が覚める。寝台においてあった護身用の小型の剣をむける。
「誰、お前は」
「本当につまらない男ね」
そこに立っていたのはユナの格好した百合姫だった。
「姫様、なにふざけてるんですか」
「ユリよ。この格好の時はユリと呼びなさい」
よくみるとニヤニヤした顔の玉鈴も立っていた。
「ユアンなんてすかっり騙されたのに本当につまらない。ね~。玉鈴」
ユアンは姫とは知らずにしかたないないですユナちゃん、僕はあんな上からしか物が言えない姫様よりユナちゃんの方が大切だから逃げて来てもせめませんっと本人を目の前にしていっていた。
部屋の外で待機していたユアンは血の気が一気に引いた。
「ユアンは減俸ね」
姫はわざと聞こえる様に言う。
扉から少しユアンは顔だし「そんな~」っと呟いた。
「リー、うじうじ落ち込んでないでさっさっと支度しなさたい。帰るわよ」
寝台からおりてリーは頭を下げる。




