ヨウ国とヤカモズ国
「大丈夫ですか?」
起き上がり水桶に布を浸し手渡す。
ファンリーは受け取り足をひやす。
いててぇと小さくつぶやく声が聞こえる。
「ありがとう。これくらい大丈夫、大丈夫」
お互い身なりを整えるとファンリーは机を部屋の中央移動した。
お互い机を挟んで向き合うかたちになった。
「文字読めるかかな?」
「はい。幼いころおじいさんが教えてくれました」
中央から離れれば識字率は低く文字を読める人はすくない、幼いころ一緒に住んでいたおじいちゃんは字が読めるとこの先いろいろ助かるからと文字を教えてくれた。
「それは助かる。モズ語?ヨウ国?」
「どちらも読めます」
「俺はヨウ語の方が得意だからヨウ語でかく」
ファンリーは懐から紙をだし机に広げる。
水桶に人差し指の先を水でひたし、その指で紙に大きな楕円をかく。
「これがヤカモズ帝国だ。ヤカモズ帝国はこんな風に横にながい」
その楕円のなかに入るように横並びに3つの〇を書いていく。
「ヤカモズ国は西、中央、東と3個勢力にわかれる」
丸の中に西、中央、東とつけくわえる。
「俺の出身国のヨウ国はヤカモズ帝国の東にある」
「中央はヤカモズ帝国の王ハリル11世がいる。次の王になる王子フムト5世にヨウ国の姫は嫁ぐ予定だった」
「フムト5世?王子?一年前に王子は突然の病でなくなったと聞いてますが」
「そうだ。突然の病でなくなり、結婚は破談となった」
「姫が嫁ぐ予定だったフムト5世は争いをこのまず。東の勢力が強くなってきている為ヨウ国の姫を妃にむかえ東の勢力を抑えるはずだったのだ」
「ヤカモズ帝国の東の力が強まればヨウ国もかなり影響をうけからなぁ」
「フムト5世も亡くなり、次期王が白紙になった」
「ヨウ国としてはその争いに巻き込まれたくない為、姫をヨウ国に帰国させたい」
「姫を帰国することを中央、西は納得したが東の妃が姫を息子に嫁がせたいといってきた」