デロイドの中二病
「ふ~ん。デロイドがヤカモズの西で戦争がおきてその間に自分が中央と東を制圧って。あは。夢を見てるのかしら」
中央でのデロイドの人望はない例え東がおす王子が後継者になったとしてもデロイドでは無理だとはっきり言える。
その馬鹿馬鹿しい幻想に付き合う身にもなって欲しいと姫は思う。
「西で戦争が起きるって事だけは信憑性がありますね」
文佑は顔をゆがめる。
「そうね。うちの国から仕入れたヨウ鋼鉄で製造された武器がヤカモズに出回ないってことは何らかして西方の国に送ってる可能は高いわね」
調べてその道をつぶさなきゃ。まずは帰国しなきゃね。
「ユナ逃げなさい」
椅子に座って緊張を溶かしている時に声をかけられ驚く。
「逃げる?」
ではなんの為に私はいるのだろう。疑問に思っているユナに優しく話す。
「今すぐではないわ。私が国に帰国したら文佑もルセを出る。そしたらユナあなたは逃げなさい。私が確実に帰国する為に30日間だけ身代わりが欲しいだけ」
姫はいつの間にか用意していた物をみせる。
「これは路金、非常食、銀の簪」
「銀の簪?」
「銀は毒に反応するから持ってなさい」
「そしてこれは毒。逃げそこねて死ぬより辛い目にあったら使いなさい。私もいつも持ってるのよ」
首に飾ってある丸い飾りの中をみせる。
「私は国の奥で身を隠して生きる気はないの。いずれ帰国したのがわかるわ。そしたら身代わりがわかるでしょう。その前に逃げなさい。人の動きをよく見なさい逃げる手だてがあるはず」
「何でそこまで」
「ユナが気に入ったの。後は罪悪感から逃れる為ね。駄目と出来る限りのしたけど駄目だったとは違うでしょ」
そして白い紙を渡す。
「これはユナの身分証明よ。逃げたらヨウ国にきなさい。そして黄家を頼りなさい。リーならすぐ来るわよ」
いいでしょっと姫は文佑の顔をみる。
しぶしぶ文佑はうなずく。




