会話も料理の一部
ファンリー、ユアン、玉鈴が宿屋で酒を飲んでいる頃、ルセの城では楽しくない食事会が開かれていた。
お金をかけたとわかり安い派手な装飾品で飾れた部屋は料理をかえって美味しくなさそううさせていた。
「このようなみすぼらしい、食事会へようこそ」
デロイドはみすぼらしいなんて全く思っないくせにもっと財力があるぞっと言いたいが為に言い放つ。席を立ち百合姫を迎え入れる。
デロイドな横に始めに城であいさつをした時にもいたルセ人の特徴である目が黒目で大きく褐色の美しい女性が丁寧におじぎをする。
「デロイドの妻セナータでござこのいます」
セナータはファルークを呼びよせる。
「百合姫様、デロイドと私の息子でファルークと申します。ファルークあいさつを」
「姫様、ファルークと申します。長い旅大変でしたね。どうぞゆっくりして言ってください」
ファルークが百合姫に近づくと百合姫の肩が一瞬上がる。
「このように歓迎頂きまして、とても感激しております。不作法なゆえともの者も同席させて頂きたいのですがよろしいでしょうか」
想定内なのか快く文佑を部屋に通し、席が作れる。
それぞれ席につき食事が始まる。
ルセの郷土料理ではなく、高級でルセでは手に入りずらい料理が次々と運ばれてくる。これはヤカモズよりさらに西から手に入れた。どこそこの具材で料理していくらかかってと美味しくても美味しくなくす会話をデロイドは延々と続けた。
食事の最後になり本題ぶつけてきた。
「姫、私はこんな貧相で小さな領地で満足してないのです」
セナータもファルークもデロイドの言葉を聞き手を止める。
「私に力を貸して頂きたい」
「私にそんな力はごさいません」
美味しゅうごさいましたと席を立ち退席しようとした所、デロイドに手をつかまれる。
「姫様、わかっていませんなぁ。こんな事をしてヤカモズ帝国が東の領主の私を許さないと思っているでしょう。ですがねそんな暇はなくなくなるのですよ」
文佑は姫の隣に立ちデロイドを睨む。
「怖い怖い」と手を上げる。
「しばらく滞在頂ければわかりますが西から戦争が起きますよ。そして私がヤカモズ中央を手にいれます。そうなった時にヨウ国はどうします。立ち打ちできますか?私の妻になりなさい」
「セナータ様がいらっしゃいます」
「離婚しますよ」
なっとひと言もらし、セナータはナイフとフォークを落とす。ファルークはセナータの顔を悲しそうに見つめる。
「セナータ、いいだろう。簡単にヨウ国が手に入るなら」
物をねだるように簡単に話す。
「冗談を」
セナータは冷静を装い口をふく。
「デロイド殿。何をおっしゃっているのです」
あまりの事に姫は黙り、文佑が抗議する。デロイドは気にせず話し続ける。
「今は冗談ですが姫一人になって考えて頂きたい。強制的に一人になってもらうのもいいですがいずれ私の兵になるかもしれない物を処分するのは気が引ける。穏便に引いて頂きたい」
このまま兵が居続けるなら殺すと姫に脅しをデロイドはかけているのだ。
「今日は疲れたので部屋で休みます」
勝ち誇った笑みでデロイドは姫を部屋から送り出す。
「よりよい返事をお待ちしております」




