個人的意見
セナータの涙をみた文佑は思う。いろいろ捨てしまえば楽なのに。一度だけヤカモズ帝国に嫁ぐ前に一緒に逃げようと言った事がある。嬉しいと涙を流しながら姫はけっして首を縦にはふらなかった。捨てる事ができない姫もまた好きなんだろうなと文佑は思い返す。
文佑は姫のいる部屋に戻る。
「文佑どうだった」
姫が文佑だけにしかわからない程度の不安な顔で問いかける。姫の顔でをじっとみて、文佑は姫の手をとり口ずけをする。
「なにするの」
気丈にに振る舞っているが姫の顔がほんのり赤くなっているのがわかる。
「かわいいなっと思って」
顔を横にそむける。
「で、なんの騒ぎだった」
文佑はデロイドの妾腹の子供が城を抜け出した事、ルセにも後継者問題がおきている事を姫に話した。
「ヨウ国の血を引いた子供っぽかった?いろいろ厄介ね。真珠姫と呼ばれているその人の子供かしら」
「調べないと確実な事はわからないですがその可能が高いです」
「本当に嫁がなくて正解だったわね。そのシェンランがルセの領主になって私が嫁いだら完全にヤカモズ中央、西対ヤカモズ東、ヨウ国になっていたわ。へたするとヨウ国対ヤカモズになっていたかも知れないわね」
「その可能は高いでしょう。双方が弱りきった所をデロイドが主導権を握る。筋書きはそんなとこだったでしょう」
この筋書きはうまくいかなかったが今度は姫を人質、もしくは妃にするつもりかもしれないな。デロイドはヨウ国の事情も調べてるだろう。
ヨウ国(陽国)の王族は現王と、王子である章輝様、百合姫様だけである。もっと遡ればいるかもしれないが。王子は病気になり体が弱っている王子に何かあれば後継者問題が始まる。姫と国の有力名家の誰かと結婚しその子供を後継者にしようと水面下で動いてる状態だ。そこにデロイドが姫と結婚してその子供を押してきたらどうなるだろう。考えただけでおぞましい。
個人的にもデロイドなんかに指一本も触れさせたくない。
誰を犠牲してでも必ずユリは国に返す。




