再就職
その頃、ルセ城内では騒ぎになっていた。ファルークが城を抜け出すは日常だが、シェンランが城にいな事はめったにない。
「シェンラン殿下」
「シェンラン殿下~」
そこかしらから声が聞こえてくる。
部屋の中で休憩していた百合姫がその声に気がつく。
「何かしら外が騒がしわ」
「そうですね」
椅子に座り書類を読んでいた文佑は机に書類をおき顔をあげる。
「文佑見てきてくれないかしら」
この部屋には護衛と言う名前の見張りが多く張り付いている。姫以外はユナがでれたように割りと簡単に外にでられる。
「わかりました。」
百合姫が何気なくふるまっているがかなり気を張っているのがわかる。文佑は席を立ち姫の肩に軽くふれて席をたつ。見つめあい。大丈夫よっと文佑の手にふれる。
文佑はヨウ国の兵の様子を見に行くふりをして辺りの様子を伺う。文佑が歩いていても騒ぎで誰も気にとめない。城内ではシェンランと人を探している声が聞こえる。シェンランとは誰だ。考えていると前から声をかけらる。
「飛翔か?」
急に声をかけられる。
「順項さん?」
順項と呼ばれた男は文佑、リーの父親の友人で藍順項と言う。
「あぁ。飛翔なわけないか年が違うな。あまりに飛翔にそっくりだったもんで」
順項はぽりぽりと頭をかく。
文佑はかなり衝撃をうけた。兄上にそっくりだって。仕事がない時には無精髭はやし。女の子とみれば声をかけられずにはいられない。飛翔兄さんにそっくり…そっくり。
「ええっと名前はゆうなんとか。」
「文佑です」
「あぁ。お化けが怖い文佑か」
「いつの話をしてるんです」
「そもそもあなたは何をしてるんですか」
「再就職?」




