リーとユアンの道中
「疲れた~姫様の馬車からかなり遠いですよね~」
ファンリーとユアンは姫の隊列から離れてついていく形をとっている。
「我慢しろよ。この隊列に俺らははいってないんだから、それしルセまで後もうちょっとだぞ」
遠くにルセの町が見えてきた。
「隊長はいいですよ。馬に乗ってるから俺は徒歩ですよ。徒歩。もうちょっとゆっくりといってほしいもんですよね」
兵とはいえないだらだらとした歩きでユアンは歩いていた。歩くのに飽きたユアンはきょろきょろと周りを見渡す。
「ルセは貧しい土地ですね。麦も野菜もぼろぼろじゃないですか。耕してる人もガリガリしてて目も死んでる」
「ユアン、言い過ぎだぞ」
「まぁ。25年前ぐらいはヨウ国も同じでしたもんね」
「俺は知らないがな」
「若さ自慢ですか」
「おい」
「冗談ですよ」
冗談といいながらユアンの顔は笑ってない。ルセの景色を見てユアンは昔の記憶が鮮明によみがえってきた。
「寒い年が何年も続いて作物ができない時期がありましてね。ぼろぼろ。それこそ木の皮や食べれそうな物なら何でも食べましたよ。それでも両親は仲が良く家族がどんどん増えて大変なって言葉じゃ片付かないほど大変でした」
「すまん。俺はわかる事ができない」
ファンリーは馬の手綱をきゅっと握る。
「いいんですよ。それこそヨウ国が豊かになったって証拠ですからね。それし黄家がなければヨウ国はつぶれていましたらね。寒さに強い稲を国にくばりヨウ国はよみがえった」
「それもあるからかなぁ。今でも長兄から農を大切にしろっと言われている。それし黄家のおかげだけじゃないだろ。その当時の王弟もヤカモズ帝国や近隣諸国に頭をさげ作物をもらい。国にくばったって聞いたぞ。稲なんて一日やそこらでできる訳ないからなそれもあっただろ」
「でも俺にとっては黄家なでですよ。国が立ち直りかけてる最中に王弟は権力もとめましたからね~」
暗い雰囲気のユアンにファンリーは冗談を言う。
「お、俺に告白か俺は男に興味ないぞ」
ユアンは凄い嫌な顔する。
「誰が・・・。それより隊長~。ユナさんとはどこまでいっているです」
「どこまでってなんだ~」
ファンリーは顔が真っ赤になる。
これじゃなきゃ、隊長は~。ししっ
「隊長はやく嫁もらってくださいよ~」
「なんだよ。急に」
俺、安心していけないじゃないですか~。
遠くを見てぎゃははとユアンは大きく笑う。




