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百合 ユリ?
領主ルデやダン・カーにあいさつを済ませ姫御一行はダルヤを後にルセに向かう。
道中、ユナは姫や玉鈴から仕草や言葉使い化粧等いろいろな事を学ぶ。
「生まれた時からはユリは姫だからどうしても違いがでる気品とゆうかなんてゆうか気位みたいな言葉が見つからないな」
玉鈴は頭を悩ます。
「ユリ?」
ユナは聞き慣れない名前をきいて不思議そうな顔をする。
「あぁ。みんな姫は姫と呼んでるからなぁ。姫は百合姫なんだ。東の島国ではユリと呼ばれてるから発音がよくてなんとなく私はユリと呼んでいる」
「ほんと失礼しちゃうわ。名前があるのに。ユナもユリと呼んで」
「ユリ様?」
「かわいい。様と少し声を下げる所がまたかわいいらしい」
きゅっと百合姫がユナに抱きつく。
「ユナはよくできてるわ。この短期間でここまでできれば上出来よ。あまり、しゃべらなければわからないわ。あの兄弟以外はね」
百合姫は馬車の窓を開けて文佑に手を振る。




