髪のない王子現る
「私はいつでも姫様のお力になりますので」
人の良さそうなかっぷくのよい男が両手をひろげ姫と話をしていた。
「はい。ありがとうございます。ルデ様」
姫は恥じらう様に袖で少し顔を隠してうなずく。ファンリー達が帰ってきたのがわかったのか姫が少し顔を上げる。ルデもその方向を見て満面の笑みを浮かべる
あれ?ファンリーは姫の顔を見て疑問に思う。
「これはこれは文佑殿、ダン・カーから話は聞きました。これからルセにいくそうですね」
「ルデ殿はこちらお越しでしたか。はい。ルデ殿そうです。ヤカモズ帝国の領地のなかでルセはヨウ国にもっとも近い領地ですのでいかない訳にはいけません」
「そうですよね。ただ、デロイド殿は美しい物(者)には目がないので姫様はヨウ国には帰したくなくなってしまうかもしれませんね」
「ふふ、ルデ様ご冗談をおっしゃらないでください」
「冗談ですが、そんな時はこのダルヤの領主ルデが悪役を倒す王子のごとくお助けいたします」
ルデはかぶっていた布を外し髪のない頭をペチンとたたく。
「こんなおじさんより、文佑殿の方がよいですかな」
かかかっと大きな声で笑う。
「嫌ですわ」
姫は一層袖で顔かくす。
あれ、なぜユナが姫と呼ばれいるんだ。ファンリーは疑問に思い。周りをきょろきょろ見渡す。兄はわかっているらしく目で黙っておけといっている。そして侍女のように横に控えた玉鈴と目があう。身内だけに分かるように誇らしげに化粧箱少し上げる。




