ルセの変化
「どうぞ、お座りください」
ダン・カーの前の席を進められ文佑が座った。文佑が座りきった後、ファンリーは文佑の隣に座る。フェイはファンリーの斜め少し後ろに立つ。
「ダルヤからヨウ国にかけて手広く商売をしているフェイさんにルセを通さずヨウ国に連絡を取りたいとお願いした次第にごさいます」
ダン・カーはフェイと目を合わせた後会釈する。
俺がつくまで結構な日数立ってるし城でもよかったのでわ?と疑問がファンリーの頭をよぎる。
バカかと文佑に小突かれる。
ファンリーは疑問を小さく声にだしていた。
「城内で直接だと気付かれしまいますから、フェイさんが到着するのを待って仲介してこの様な場所にお呼びだてしました。ダルヤでもいろいろ面倒な事が、起きているんですよ」
ダン・カーは深刻な話をにこやかに説明する。
「面倒な事とは」
「先程もフェイさんと話をしていたんですがヨウ国からくる品も減っているんですがルセに送る品も減っているんです」
「ルセに送る品もですか?」
文佑は聞き直す。
「はい。ルセはこれといった産業もなかったですし、援助を要求するだけでヤカモズ帝国取ってはお荷物でしかなかった。ヨウ国には失礼ですが先先帝王のヨウ国への侵略の足場でしかなかったんです。それが一辺してルセ出身の妃の皇子を後継者に推す。このダルヤにもルセから金品をもらいルセに優位に動くように仕向けるている者もいる。ルセにそんな財力も人脈もなかったはず」
「以前のルセならそうかも、知れないですが私がみてきたルセはかなり財力がある感じでした」
ファンリーは緊張した雰囲気から自然と言葉が改まっていた。
「ルセだけでは考えきれない。リー殿も見てきたのならわかると思うのだがヨウ国がかなり絡んでいると思う」
ファンリーは文佑をみる。文佑はうんとうなずく。
「はい。ヨウ国の人間が絡んでいるのは確かです。国政から動いているのではないのだけは確かです」
「そうか、それを確認したかった。国政が絡んでいるとヨウ国はヤカモズ帝国に戦争を仕掛ける準備をしている可能性があるから。ここにファン家の人がいるから可能性はかなり低いですけどね」
文佑はふっと笑う。
「ヤカモズ帝国と戦争してもヨウ国にはなんの特にもなりませんよ」
「ヤカモズ帝国も体だけ大きくなり過ぎてヨウ国と戦争しても勝てるかどうか」
ヤカモズ帝国の忠義者が聞いたら憤怒しそうな事をさらっとダン・カーは話す。
「私の調べてでは20年前失脚した黒家が絡んでいるではないかと思う。ルセの領主の元に真珠妃と呼ばれる正式な妃ではないが妃がいてその妃がいる頃からルセは代わり始めた」
「なぜそう思われるんですか?黒家が絡んでいると?」
今まで黙っていたフェイが口をだす。
「黒家の姫が失踪したからだ」
ふっとファンリーは自分の元婚約者を思いだす。気位が高く、冷たい感じだったな。
「調べてみてもいいかもしれません」
フェイはファンリーを睨む。
文佑は驚き目を丸くする。
文佑とフェイは同じ考えだった。
((まだ、気付いていないのか!))




