寝心地
ファンリーはそれからしばらくたっても起きずくぅーくぅーと寝息をたてている。
「少し、すみません」
ユナはファンリーが寝ている寝台にもぐりこんだ。
深く寝ているのかユナが寝台にもぐりこんだのさえ気付かない。
この部屋には綺麗な広い寝台とテーブルしか置いておらず。主の所に行けば怒られる。ずっとたっているのも疲れたので寝台の隅に入らせてもらった。
もう一度起きないか確認する為、ユナは寝ているファンリーの顔をそっと触る。
「起きない、、、」
ほんのり当たる腕のぬくもりが心地よくまた眠気をさそう。まだ朝まで時間があるから休ませてもらおう。
ユナは耳元で囁いた。
「貸してください」
返事はないのはわかってるのにユナはファンリーにお願いをした。
しばらくするとユナも眠りついた。
おかぁさん、おかぁさん。どっこいいたの?」
涙をだすことしかできず暗闇を走り続けている。
ようやく明かりのもれる扉ににたどりつくとなにやら大人たちの声がきこえる。
「あの女、子供を置いてでっていったよ」
義父の母は深い皺がはいった顔を更に皺をよせる。
あの女っておかさんのこと?私を置いてでていったの?
「っくそ。あの女にどれだけ貢いだとおもってるんだ」
義父は強く机を殴る。
「下の息子はお前の子供だけど、上の子は違うだろ。売ってしまおう」
売る?何を?
ユナは扉の前で力なくしゃがみ込む。
・・・はっ。夢。
夢なんて久しぶりにみた。朝から夜遅くまで働かされて隙間風が入る馬用の藁小屋では夢さえみる事なかった。
ユナは一度目を覚ます。安心しきって寝ているファンリーの姿にユナも安心して夢も見ず今度は深い眠りについた。