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逆の道
「お兄様、もう大丈夫です」
支えてもらっていた腕をやさしくはずす。
「ルセの町に行き、医者に行こう。」
顔を隠す為の黒い布を取り外す。黒い髪、黒い目をした一目でヨウ国人とわかる姿をしている。
「お兄様の方こそ大丈夫ですか?」
「あぁ。リーの馬鹿力め!」
手首をさする。
「ファン家に私たちの事ばれないでしょうか?」
「大丈夫だ。手はうっておく。まさか、リーの奴がフェイと一緒にいるとは思わなかった」
「ヨウ鋼鉄の事はもう少し後で軍資金がたまってからか、ヤカモズ帝国に先に情報がいってヨウ国と戦争とかが好ましかったが失敗だな」
まぁ、俺としてはどっちでもいい。フェイ、大事な大事なお姫様の家とお前の正義感で苦しめばいい。
二人はファンリーと逆方向のルセの町にむかって歩いていった。




