時を見逃すな
「フェイ!」
ユナの状況と目の前の敵でファンリーは身動きが取れないでいる。目を横にやるとユナの敵の背後に影がみえた。ユナとファンリーに気を取れ気づいていない。ファンリーはニヤリとする。
「はぁ!」
その声が聞こえたと同時にファンリーも動く。玉鈴がユナの前の敵を背後から刺した。グォと変な声をだし刺された腹を抱えて倒れこむ。敵が倒れた後にユナに返り血が当たらないように剣を抜く。
「ユナ、おとりに使ってすまない」
今にも叫んでしまいたい状況をユナはこぶしを握りコクコクとうなずく。
その時にはファンリーは目の前の敵を跳びげりしていた。
「きゃぁ」
「え!女」
跳びげりした力を使ってフェイに今とどめを刺そうしている敵に向かう。
「フェイ、また国の為に大切な人を裏切るのか?父のように。黒家のお姫様は知らないんだろ?」
フェイの耳元でささやく。
「うぁぁぁ」
フェイは唸る。
「まぁ、そうなるまえに俺が楽にしてやるよ」
敵がフェイにとどめを刺そうとする瞬間女性の悲鳴が聞こえた。
「シーアル!」
とどめを刺す剣の手が緩む。その時を見逃さずフェイは敵の剣をはじく。
うっと手首に手をあてる。
「クソ、引くぞ」
シーアルと呼ばれた敵とフェイの前の敵は素早く引き、腹を刺された敵に短刀なげとどめを刺していった。
「フェイ」
玉鈴はフェイにかけよった。




