最後まできっちする性格
「リー様、魚を捕るのだいぶうまくなりましたね」
ファンリーは槍でさした魚を取って桶のなかにいれる。ファンリーと玉鈴は魚をさばく事ができず。桶にはいった魚を綺麗にさばくのは必然的にユナの担当となった。
「釣るよりこうやって槍で刺す方が俺にはあってる気がするな」
ファンリーは魚をとってはちらちらと玉鈴の顔をみる。
ファンリーはこらえきれず玉鈴みてプーと笑いだす。
「おまえは釣りも槍で刺すのも両方だめだな。ぷぷっ」
「なんだとー」
釣竿を放り投げてファンリーの玉鈴は胸ぐらをつかむ。
「私は魚をさせないが人をさすのは得意だ」
「はぁん。どんな特技だ」
うぬぬと二人は睨みつけている。
「まったく、子供なんだから」
フェイは釣れた魚を器用に外し桶に放りこむ。
やるのかー、とファンリーと玉鈴が意気込んでいるとフェイがシュッと短刀を投げる。
ッチと仕損じたかとフェイは舌打ちをする。
「おい、おい、玉鈴が大事だからって、フェイも参加か」
フェイの方ではなくとフェイと同じ方向にファンリーは短刀をなげる。
ぐふと血がでて人が倒れる。
「ユナ、馬車の中に逃げろ」
逃げようと思うのに足が動けない。
「玉鈴、ユナを頼む」
「わかった」
玉鈴はぶるぶると震える足のユナを支えながら馬車に逃げ込む。
「おい、お前何だ」
木の陰から10人の黒装束の集団がでてくる。
「金目の物を置いておくんだな」
そのなかの一人がずっと前にでる。
ファンリーが「盗賊か」といった瞬間にフェイは長い針を何本か放つ。
脅した盗賊と6人はその針で倒れるが4人だけは針をよけたっていた。
フェイとファンリーは目を合わせ頷く。これはただの盗賊ではないと二人で確認した。
「もう一度きく、何者だ」
ファンリーは腰の剣を抜く。
「死に逝く者にはなのっても仕方ないでしょ」
黒装束の男はファンリーに切りかかってくる。ファンリーは剣で受け止める。
「力勝負では負けないぜ」
ファンリーの背後を狙ってもう一人が動く。ファンリーは剣に力を抜き。黒装束二人を相打ちさせる。そこにフェイが木をけり高い位置から相打ちして倒れた男の背に向け短刀をなげる。
「フェイは容赦ねぇな」
「最後まできっちりする性格なので」
フェイは背中に刺さった短刀を抜く。その短刀で背中の肩の下の装束を切る。黒い枠のほくろぐらいの大きさの〇があった。
「一人は残しておけよ。何者か聞きたいからな」
「全部倒して大丈夫ですよ。何者かわかってるので」
「さすが裏切り者のフェイだな」
「私が裏切ったわけではありません。正確には私の父がです。しかも国を裏切ったのはあなたたち狼ではありませんか!」




