いつの間にか外道に
「ま、こんな感じだな」
話終わると頭の後ろに手を組み荷物にもたれる。
ユナは祈るのような手をつくり目をキラキラさせていた。
「ステキ、まるで昔読んだ小説のみたい!」
「そんな目で見られるとてれるよ」
ユナは玉鈴に近づき顔を左右にふる。
「わたしなんてなんて!自分で飛び出す勇気もなくて我慢していたらいつか変わるって思っていました。でも結局なにも変わらなくていっそ死んでしまった方がと思っていました。」
ユナは玉鈴のほうにずいずいと近づく。
「それも行動ができず。結局、父に娼館に売られました」
「は!父親にか?」
玉鈴はユナの両肩をつかむ。
「父といっても本当の父親ではなくて母の再婚相手ですから義理の父です」
玉鈴は額に手を置く。
「かぁ~。母親は?」
「母親は暮らしに満足できなくて弟を産んですぐ家をでてしまったんです」
玉鈴は怒りで拳を握る。
「なんて母親だ」
「本当、娼館に売られてはじてのお客様がリー様でよかった。娼館にくる客は暴力的な人や年齢がかなりいっている方のほうが多いので」
「フェイがいったようにぜんぜんわかったなかったんだなわたしは・・・」
玉鈴は自分自身にも腹が立ち拳にさらに力がはいる。はじめての客?はあ~。はじめての客があいつだってあの腐れ外道が!
今までためた力で馬車の床をたたく。
馬車全体がゆれ、馬車がとまる。
馬車の後の皮布がひらきファンリーが顔を覗かせる。
「大丈夫か?」
玉鈴はファンリーの顔みたとたんすごい顔で睨みつけ。
「大丈夫だ」
皮布をいっきにしめる。




