玉鈴とフェイ
馬車が移動して最中、ユナは目を覚ました。
「もう、少し横になっていても大丈夫だよ」
「ずいぶんよくなりましたので」
ユナはひざを横にしてすわる。
「このまま、ダルヤまで一緒だよ」
玉鈴の言葉の後、沈黙が続いた。
なにか話さなければ
「玉鈴さんとええっと馬車の・・・とはどのような関係で」
うーんと玉鈴は考え始めた。
あ、まずい事聞いてしまったのかしらとユナは焦る。
「あ、言えなければ」
ユナは手と顔を左右に動かす。
「別に言えない訳ではなんか気恥ずかしくてね。フェイ、あ!馬車の運転してる奴のことね。一応夫婦なんだ。まだ法的には認められてないけどね」
「え!夫婦。どんな出会いで?」
玉鈴はぎょとした顔でユナをみる。
ああ、余計な事いってしまった。ユナはうつむく。
「幼馴染なんだ。あいつは使用人たちに商売にきていて私は父親にしかられて庭で立たされいたんだ。それが毎月のように続いてね。ある日、フェイの方から近づいてきて口の中に飴を放り込まれたんだ。食事を抜かされていたからそれが美味しくて」
「飴?」
ユナが不思議そうな顔した。
「飴をしらないのか綺麗な色の透明な丸いお菓子だよ」
想像しているユナを玉鈴はよしよし頭をなでる。ユナは優しくされることになれてなく照れてしまう。
「ダルヤまでまだ長いつまらない話をしようかね」




