お金の確認は店の外で
「ファルーク?領主の息子か!」
なんでそんなヤツが護衛もつけずうろうろしてんだ。
「俺の名前をしってるとはお前もそこそこの身分があるやつか」
ファンリーとファルークはお互いにらみあう。
入口の中央でにらみあっていた為、入ろうしてた客はそのまま帰っていった。その様子をみたユナがおずおずと話す。
「あの~。すみにいきませんか?」
二人は気まずそうに店内に入りすみの席にすわる。落ち着いて座ったのを見計らい店員が注文をとりにやってきた。
ファルークはメニューもみずに次々と注文し始めた。
「お前達の注文もしてやった」
ファンリーはファルークを関心した。
案外、いいヤツじゃないか。
「すまないな」
「いや、いいよ。お前のおごりたから!」
「は?」
ファルークは耳を疑った。
「さっき、お礼させてくれって」
「お前さっきはいいっていったよな」
「俺、金持ってないぞ。食い逃げするか?」
くそっ
「わかったよ」
ファルークは勝ち誇った顔で笑う。
ファルークが食べ終わった頃にファンリーは話かけた。
「ファルークはかなり前からつけてたよな」
ファルークって呼びすてかぁとファルークはぶつぶつと言う。
「つけていたのを気づいてたのか?」
「殺気がないからほかっておいたがな。なんでついてきたんた?」
「また、変なヨウ国人がやってきたのかと思ってな」
ファルークはファンリーをみる。
「まぁ、ルセに商売や観光に行こうってまっとうなヤツはしないな…」
ファルークは何しにきたとは言わず。じっくりファンリーの顔をみる。
「俺は怪しい者ではない。ファン家のファンリーだ」
ある程度、ヨウ国内の事情しっているのならファン家といえばだいたいわかる。
「ヨウ国の鉄壁のファン家の者か、なるほどね。で」
ファルークは腕をくむ。事次第によっては捕まえるぞ言わんばかりに。
「姫が挨拶にくるから下見にだ」
「危険を承知でくるのか?」
「姫が帰国する道の領主に挨拶してるのにここの領主に挨拶しない訳にはいかないだろ。」
ユナはこんな話の時は聞いてないようにしていた。そして二人が話に夢中になっているのを見計らい、ユナは残ったパンを数切れ懐にしまい店の外にでた。




