期待はしない事
ユナは寝台の隅に申し訳なさそうにちょこんと座っている。
待ってる時間は長いな。どうなったんだろう。
期待はしないでおこう。期待すると後が悲しくなる。
何度も何度も期待をした、あがいたけどどうにもできない。わかってる。
お母さん、お母さん 私、いい子でしょ? お義父さん、ちゃんと家のお手伝いしてるよ。
わたしはいらない子?いない子? なんで生まれてきたのだろ。
小さな音がする度に扉の方をみてしまう。
ユナを期待してダメだよ。ユナは自分自身に言い聞かす。
ユナはファンリーの顔を思い出した。優しい顔する人だったなぁ・・・。
さぁいつもの日にもどるだけだよ。
自分のほほを両手で2回軽くたたく。寝台からたちがると階段を上がる音が聞こえてきた。階段を上る足音が段々大きくなる。
ユナの期待が少しづつ膨らんでくる。扉の前で音がやむ。ユナはぎゅっと両手を握る。
そして勢いよく扉が開いた。
「悪い、待たせてしまった」
ファンリーがお日様のみたいな笑顔で入ってくる。ユナにはそう見えた。
ひょいとファンリーの後ろから女主が顔だけみせた。
「本当にこの子でいいのかい?でるところきちっとでてる子もいるよ」
「この子じゃなきゃ、だめなんだ」
「やとぱりあんたは少女趣味ロリコンかい」
「少女趣味じゃない---!」
ファンリーは顔を真っ赤にしてさけんだ。




