きまらない
デロイドが部屋にくる少し前の事
侍従から聞かされた後ファルークは急いでユナとファンリーの所に行き、さっきでてきたばかりの隠し通路に二人を押し込んだ。
「おい、何するんだよ」
落ち着いた所にまたあの狭い通路に戻されたのでファンリーは慌てた。
「ユナンもはやく」
ファルークはユナに手を差し出しファンリーが抱き留める様に渡された。ファンリーは文句をいおうとファルークの顔見るといつもの顔ではなく重く真剣な顔になっていた。
「早くいけ。ここまっすぐ行く途中で下におりる階段があっただろその階段をずっと下に行け」
「わかった。お前はいいのかよ」
ファンリーは真剣な顔でファルークを見る。
「俺はいいんだよ。領主の息子だからな」といつも感じでファルークは答えた。
ここに俺がいたらダメな気がしてきた。
ファンリーは抵抗もせずに一言「わかった」といい心でありがとうといった。
ユナとファンリー途中に横道に上がる階段があったがファルークの言われた通りに下へ下へ降りていった。下に行く階段がなくなりそのまま歩いていくと扉がありそこの扉を開けた。隠し通路は薄暗かった為外にでると光がまぶしくかった。
ルセの町が高台にあったようで少しはなれたルセの町からは見えない窪地のような場所にでた。大人だったら軽くよじ登れるようになっていてファンリーは様子をみる為に先によじ登った。周辺はさらにルセ周辺にみられる小さな木の群衆囲まれていて窪地は見えなくなっていた。人がいないことを確認してファンリーは手を伸ばしファンリーはユナを引きあげた。
ファンリーは進むべき道を考えた。
どうしようかな。今さら宿に戻れない。
重いからって荷物、鎧とかなにもかも宿においてきた。金も小銭ぐらいしかない。時間はかかるが歩いてトグゥの町を目指すか反対のダルヤを目指すかダルヤに向かう道は限られているこの領地からでるときの事を考えるとヨウ国に近いトグゥの町を目指すか。
ファンリーはユナを横目でユナをみた。
ユナはうずくまっていた。
「ユナ?」
ユナはうずくまっているのではなく地面を掘っていた。
「リー様」
ユナは木の棒な物を掘り出した。嬉しそうにファンリーに見せた。
「このモグルの木の根っこは食べられるんです。シャキシャキして美味しんですよ」
何にも考えてなさそうなユナふんわりとした声にファンリーは笑えた。
「え、何か可笑しいですか?」
「あぁ」
ユナの顔に少し土がついていたので掃ってあげた。
土が顔についていたのが恥ずかしかったのかほんのりほほが赤くなった。
「私、綺麗な恰好をしていても何も変わらないですね」
その複雑そうなユナの表情を見て大変な思いをしてきたのだろうと感じられずにはいられなかった。
ファンリーは返事もせずユナをぎゅっと抱きしめた。
しばらくすと安心したのかぐーとファンリーのお腹がなった。
「きまらないな」
ユナとファンリーはこころから笑いあった。