知らなければ良かった事
セナータは初めて見たデロイドがたわいもない話を楽しそうに話をしているのを。
「あなた」
デロイドに声をかける。
声がした方向をデロイドはみる。そこにはいつもと同じ冷たい目をしたデロイドがいた。
誰にも入らせたくないのかその扉を宝箱の様に優しく閉めセナータを別の部屋に呼ぶ。
「あなた、どういう事ですか?私と離婚してヨウ国の姫と結婚するなどという戯言おしゃるとわ」
セナータは冷静に話そうとする。
「さすがだな。セナータ情報が早いな。そうだ。その通りだ」
デロイドは当然の様に答える。
「今のルセの状況をおわかりですか?ヤカモズ国内での位置。ヨウ国のルセへの影響力の拡大。ヨウ国の姫との結婚でどれほど影響がでるか、何度も話をしました」
「わかっている。そんな事は聞きあきた」
デロイドはそっぽをむく。
「でしたら」
「領主の座はおまえの息子に譲る。それならいいだろう」
「私と離婚する理由がありません。神殿がお許しにならないでしょう」
「理由があればいいのか?ラマークを殺したのはお前だ」
「は?何をいっているのかわかりません」
「だから、ラマークを殺したのはお前だ。ラマークが亡くなる一週間前にお前の父親からラマークの好きな酒を渡されだろ?」
覚えがある。
父からラマーク様の好きなお酒が入ったからセナータ、一緒にいって飲んでおいで、お前も気にいる味だからと渡された記憶がある。私の父は権力欲が高くラマーク様と結婚させようとしていた。
「えぇ。でも私も一緒に飲みましたわ」
「強い酒だっただろ?酒の弱いお前では一杯しか飲めないだろ」
父からお酒でラマーク様の前で醜態をさらすなと強くいい誓わせられた。
「あの酒の中には酒より比重がある毒がはいっていたんだよ」
セナータた両手で口を抑えガクガクと震える。
「あの頃、ラマークはあの女に入れこんで子まで産まれていた。義母上も相当悩んでいた。お前の父親はこれ以上あの女に子が産まれてヨウ国の血が入った領主がたつのではないかと恐れていた」
セナータは父の行動に思いあたるふしがいっぱあり「あぁ」と声を出す事しかできなかった。
「義母上を悩ますラマークなんて死んでしまえばいいのにって思っていたから計画をしっても何もしなかったけどな。まぁ。私に疑いがかかるが言わない事を条件にお前の父が領主の座とお前との結婚を約束した」
なんておろかなる父
なんておろかなる私
ラマーク様ラマーク様と頬を染めてラマーク様の好きなお酒を抱えて走っていた自分のなんと滑稽な事
デロイドの前にいる事ができずふらふらになりがらセナータは部屋でた。