天国か?地獄か?
ユナは腹部に痛みを抑えながら目を覚ます。見たことのない程の広いベッドにそのベッドには天井がついていて綺麗な刺繍がされた布がかけられていた。
ここはどこだろうか?死んでしまったのかしら。
ユナが起き上がると使用人らしき人が急いでよってきた。
人がいる。死んではいなかったみたいね。
「姫様、何か御入り用な物はごさいませんか?」
あっ。そうか姫様の身代わりをしてたんだ。
「飲み水を頂けるかしら」
ユナは姫様らしく答える。
使用人は深々と頭をさげてさがりすぐに水を持ってきた。
ユナが水を飲みこくりと落ちつくと水を渡した使用人は後ろを振り向き扉の前の使用人に合図をした。
扉が開き何人もの使用人が続けてやってきた。
膝を付きその手には顔洗う専用桶をユナの顔近くまで掲げあげ顔を洗うように即される。別の使用人がやってきて顔をふく専用の布を渡される。
その後に何人というか何十人とルセの衣装を持った使用人がいた。
衣装担当の女性がユナの顔に布をあてて色を決めていった。
なん十回と衣装を合わせて落ち着いたのが橙色の上着。襟首と袖部分に黒い布に金糸で花の刺繍がついた布があてられていた。下は長いまきスカートで赤色の布地にあて布と同じ花模様が金糸で縫い付けられ足元近くは黒く小さな鳥が金糸で刺繍されていた。
これはセナータが着ていた、それ以上に豪華な衣装だった。
準備が整うと使用人は全身がみえる鏡をユナの前に持ってきた。
あ。
ユナは失敗したと思った、何がおきてるのかわからず即されたまま顔洗ってしまい、鏡にうつっているのは見慣れたユナの顔で姫様の顔でわなかった。
ガチャリと大きく扉をあける音が聞こえた。
使用人達が部屋の隅に下がり頭をさげる。
デロイドが大きく腕をあげて部屋に入ってきた。ユナの全身を目を大きくしてみる。
「素晴らしい。姫にこんな素晴らしい素顔が隠されていたとは」
ユナの手を優しくさわり持上げデロイドはユナの手の甲に優しく口付けをした。そしてゆっくりと優しく抱きしめる。
ユナは今でとは違う優しい顔と態度に固まってしまい何もできずにいた。
デロイドはユナの耳元あたりの髪をかきあけ、耳元に口付けをする。ユナに優しくささやく。
「正式に姫と結婚しようと思う」
「セ、セナータ様がいるでわありませんか。」
ユナは焦る。
今度は首筋に跡がのこるくらい強い口付けをされる。
「心配しなくてもいい。セナータとわ離婚する」
優しくユナはデロイドに抱きしめられる。
デロイドに抱きしめられ事によりリーに抱きしめられた時を思いだしてしまった。
リー様、、、
誰にも届かない声をユナは呟くのだった。